新潟県 十日町市 松之山地域に伝わる奇祭『むこ投げ・すみ塗り』が15日行われ、今年は2人のお婿さんが真新しい雪に向かって勢いよく宙を舞いました。
しんしんと降る雪の中…仲間たちに担がれ、笑顔いっぱいで登場した今年の主役!

十日町市松之山地域に江戸時代から伝わるユニークな伝統行事『むこ投げ』の始まりです。

「結婚のお祝いとやっかみを込めて、投げるぞ~!いち、にの、さん!」

「お祝い」と「やっかみ」…
実はこの『むこ投げ』は、集落の娘をよそ者に取られた腹いせから始まったともいわれています。
前の年に結婚した男性を、高さ5mの境内から勢いよく投げ落とし、手荒く祝福。
雪の上を転がって真っ白に染まったお婿さんを妻が優しく迎えます。
【母親が松之山地域出身 岡田文朗さん(38歳)】
「飛ぶ前は、きれいに飛ぼうとか、カメラ目線にしようとか、いろいろ考えていたんですけど、飛んでみたらあっという間に全身が雪の中に埋まっていて…。松之山の雪はすごくフカフカでした」

【佐藤史織さん(29歳)】
「きょうとてもきれいに飛んでくれたので、これからの長い夫婦生活、いいスタートを切れたと思う。2人で仲良くやっていきたい」

豪快な祝福のあとに待っているのは、正月に飾ったしめ縄や門松を燃やしたススを雪と混ぜて顔に塗りあう『すみ塗り』です。

【沖縄から訪れた人】
「めっちゃ面白い!最高」

無病息災と家業繁栄を祈って、大人も、子どもも、警察官も!
夫婦揃って、この通り。
【母親が松之山地域出身 岡田文朗さん(38歳)】
「塗られても美人。元気で幸せに楽しくやっていきたい」
それぞれが互いの幸せを願って…。
雪も溶けてしまいそうなほど、あたたかな笑い声が響いていました。