長野県内で乳牛を育てている酪農家の数は減少の一途を辿っていて、30年前の15%以下まで落ち込んでいます。
酪農家の高齢化や後継者不足、飼料の高騰といった様々な要因が上げられますが、こうした時代の変化や環境に適応しながら、苦境を乗り越えようと頑張っている若き酪農家がいます。
経営モデルを柔軟に変えながら目指すのは「カメレオンのような酪農」。
その活動に迫りました。
八ヶ岳のふもと、富士見町に広がる牧場「エリックファーム」。
自然豊かな環境のなか、牛たちがゆったりとした時を過ごしています。

五味英介さん:
「まずは朝一番においしい草をあげて、食べる食べないで具合が悪い子がいないか見てます」
牧場の4代目、五味英介(ごみ・えいすけ)さん。
牛舎の掃除や餌やりなど一頭一頭に目を配りながらの忙しい朝が始まります。
五味さんの牧場は、家族中心に切り盛りしています。
先代で父の公義(きみよし)さん・72歳。
母・敏枝さん:
「次、何来るか分かっていて、これが一番のごちそうで待ってるんです。ふふふ」
母親の敏枝(としえ)さん、そして、結婚を機に東京から戻り、パートで働いている妹のはるかさん。

妹・はるかさん:
「私生まれた頃からこの環境なんで、あんまり違和感を持ったことないんですけど、普通のお勤めの家からしたらちょっと強烈かもしれないですね」
およそ100頭いる牛から、常に40頭は搾乳できるように飼育しています。
英介さん:
「今この子が一番出てますね。牛乳は60キロくらい」
朝と夕方の2回新鮮な牛乳を搾ります。
英介さん:
「搾ったばかり、大体1300~1500リットル。頭数の割には多いのでは」