今年はオリンピック・イヤー、パリで夏季五輪が開催されます。そこで今回は、オリンピックとゆかりのある世界遺産を紹介したいと思います。
今年はパリ五輪、世界遺産「パリのセーヌ河岸」で開会式、マラソンでも…

まずは今年の舞台となるパリ。中心部を流れるセーヌ川沿いの約5キロの地帯が、「パリのセーヌ河岸」という世界遺産になっています。番組「世界遺産」ではナレーターの杏さんが現地取材をする「杏の世界遺産散歩 in パリ」という連続ミニコーナーを放送中で、主にこの「パリのセーヌ河岸」に含まれている世界遺産を取り上げています。たとえば4年前の火災から復旧工事中のノートルダム大聖堂、礼拝堂のステンドグラスが見事なサント・シャペル、「パリで一番美しい橋」といわれるアレクサンドル3世橋などなど。
パリ五輪では、このセーヌ川で開会式が行われ、選手たちは船に乗って入場パレードを行う予定です。コース沿いはみんな世界遺産エリアで、パレード後にセレモニーが行われるエッフェル塔付近も世界遺産です。番組でも紹介したアレクサンドル3世橋は、このパレードを見るのにうってつけの場所となっています。「杏の世界遺産散歩」では、こうしたパリ五輪関係のエピソードも紹介する予定なのでご期待ください。

またマラソンは、やはり世界遺産に登録されているパリ市庁舎をスタートし、近郊のもう一つの世界遺産「ヴェルサイユ宮殿と庭園」まで走り、再び市内に戻ってくるというコースになっています。このコースはフランス革命のときに、食糧不足に苦しむパリ市民がパンを要求し、ルイ16世とマリー・アントワネットが住んでいたヴェルサイユ宮殿までデモ行進したルートにちなんでいるとのことです。マリー・アントワネットは「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と言い放ったとされますが、真偽は不明です。
このようにパリ五輪の開会式、そしてマラソンでは世界遺産の建物がいろいろと登場するはずなので、それをチェックしながら中継を楽しむのもありかと思います。

また、そもそもオリンピック発祥の地も世界遺産になっています。それがギリシャの世界遺産「オリンピアの古代遺跡」。2000年以上前、古代ギリシャ人はここで4年に一度、ゼウス神に捧げる祭典競技を行っていました。その舞台となった競技場跡や神殿跡が、オリンピアには残っています。ちなみに古代オリンピックの競技場の長さは「1スタディオン」と呼ばれる距離の単位になり、これが現在のスタジアムの語源になったといわれます。