1月8日の「成人の日」を中心に、年明けから熊本県内各地で二十歳(ハタチ)を祝う式典が開かれました。

今年度ハタチになったのは、熊本県全体で1万7524人。そのなかには、かつて「赤ちゃんポスト」に預けられた、あの青年もいました。

「ハッピーバースデー♪」

宮津航一さん(みやつ こういち)さん。今年度、ハタチになりました。

宮津航一さん「父が誕生日のために作ってくれたケーキです。4歳の誕生日の写真通りに今回は作ろうと。大勢の人に祝ってもらったのは、あのときが初めてだった」

誕生日は「11月5日」。

でも、小学校2年生までは、自分の誕生日を知りませんでした。

航一さんは3歳のときに“こうのとりのゆりかご”いわゆる「赤ちゃんポスト」に預けられ、熊本市の宮津さん夫婦に里子として迎えられました。

父・宮津美光さん「『家族の一員として迎えるぞ』と。1日に1回以上、3回くらい抱っこしてやろうと。3回ですよ、1回じゃだめ。抱っこしてやった、みんなやった」

たくさんの愛情を受けながら自分のルーツを探しつづけ、そして18歳になったおととし、世間に向けて自らの生い立ちを公表。

今は、大学に通いながら「こども食堂」を運営し、この春には「こども大学」を創設するなど精力的に活動しています。

航一さん「僕自身が(カメラの前に)出たことで『僕も(境遇を)話していいんだ』と思った子もいると思うし。話せる道筋というか、そういうのを作れたら」

成人の日。式典会場で友人と笑いあう航一さんがいました。

航一さん「誰かなーと思ったら、お前やん!」

生い立ちを告白して2年。友人たちは驚きはしましたが、関係性は変わらなかったといいます。

中学校からの友人「中学高校一緒で部活も一緒だったのでめちゃくちゃ関わり深いんですよ。変わりないです」

「ゆりかご」という小さな扉が導いた人生。成人の日を迎えた航一さんの『ハタチの抱負』は。

航一さん「これまではいろんな人に支えてもらった20年だったけど、これからは社会に対して逆に尽くせる人になれるといいと思います」