上関町で建設に向けた文献調査が進む使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、中国電力は町議会に施設の概要や必要性などを説明しました。

上関町議会への説明会は、2023年8月に反対する人の抗議行動によって中止されましたが、先月の議会で実施が決まったものです。

体調不良などを理由に欠席した議員2人をのぞく、8人が出席しました。中国電力は動画を使って、原発から出た使用済み核燃料を、燃料として再利用する一連の流れ「核燃料サイクル」を踏まえて、使用済み核燃料を一時的に保管する中間貯蔵施設の概要や必要性を伝えました。

中間貯蔵施設について反対 上関町議会 山戸孝議員
「(原発建設予定地近くに住むある町民は)原発は賛成なんですが、中間貯蔵(施設)には反対をしておられて。その方が言うにはですが、まちのためを思って、原発の建設のために土地を手離したたんだと、だから、中間貯蔵(施設)のような核のゴミを置く場所として、使われるなんて想定はまったくなかったんだ」

中国電力上関原発準備事務所 松浦圭記所長
「町民の中に原子力発電所については賛意を示していただきながらも、中間貯蔵(施設)についてはちょっと自分は納得感がないんだなというお話は私たちの耳にも届いております。そういうご意見はいろいろあること受け止めております。粘り強くいろんな方にお話をしながらご理解をすすめていく以外ない」

議員からはほかに、金属製の専用保管容器「キャスク」の耐用年数や海上輸送での安全性への質問や、施設で保管した核燃料の行き先にあたる青森県六ヶ所村の再処理工場が稼働しないことへの疑問などが出ました。

中間貯蔵施設について反対 上関町議会 山戸孝議員
「説明会をしたという実績づくりのための説明会にこれをしたかったのかと思わざるをえない内容だったかと」

説明会の実施を提案した上関町議会 岩木和美議長
「正しい説明を受けるということは大前提と思いますので、議論するにしても何をするにしても、ちゃんとした説明を受けるべきで、きょうこうして説明会が行われたことには、大きな意義があると思います」

説明会は質疑が相次いだため、終了予定時刻より1時間あまり長引きました。