佐世保海上保安部の巡視船「あまみ」の解役式が9日、行われました。
「あまみ」には22年前、北朝鮮の不審船に対応した際の銃撃の跡が今も残されています。

巡視船「あまみ」総トン数230トン。

そのデッキには海上保安庁長官から授与された記念のプレートが掲げられています。
2001年12月22日、鹿児島県奄美大島沖で発生した「北朝鮮工作船事件」の対処活動を称え、贈られました。

北朝鮮の工作船による「奄美沖不審船銃撃事件」
他の巡視船3隻とともに出動した「あまみ」は工作船を停止させるため強行接舷。この時、工作船の乗組員から100発を超える銃撃を受け、乗組員3人がけがをしたほか、船体にも大きな被害を受けました。

敬礼!

9日朝の解役式で井上昭典 佐世保海上保安部長は巡視船「あまみ」の功績を称えました。

佐世保海上保安本部 井上昭典部長:
「これまでの32年間、日本の海を守り続けてきたこの巡視船あまみに対し、深甚なる敬意を表すとともにその労をねぎらい深く感謝して」

このあと、船体の側面に記載されていた巡視船であることを示す“船体番号”が消されました。

銃撃戦の跡は今も残っています。

長征爾記者:
「巡視船あまみのデッキにきています。こちらにはまだ当時の銃弾の跡が残っています」

あまみ 野澤貴典船長:
「前から来た弾が当たって(デッキに備えられていた通信機器関連書籍の)一冊目を貫通して、二冊目の中で止まっています」

「この船、よくやったなという気持ちでですね。最後にですね、お疲れさまでしたと声を大にして言いたいなといういことです」

32年にわたり日本の海を守り続けた巡視船「あまみ」。佐世保海上保安部には「あまみ」に代わり、巡視船「まつうら」が配備されることになっています。