根強く残る原発事故の風評
2020年以降、1月に福島県内で取り引きされた子牛の平均落札価格は、年々下落しています。特に今年は去年と比べ12万円近く落ち込んでいます。

要因の一つは、円安による飼料の高騰です。エサ代がかかるため、いつもより費用を抑えて落札しようとする、その動きが今回見られました。

さらに、物価高も影響します。ものが高いとき節約意識が高まり、高級な和牛を買うのは控えようという動きになります。そのため、需要が減り、価格も下がることにつながります。

そして、いまだに原発事故の風評も残っています。県産牛の東京での取引価格は、震災後に比べると回復していますが、いまだに1キロあたり250円ほど全国平均を下回っています。

購入する意欲や風評が絡み合って、セリでの価格や牛肉の価格に影響しています。
JA全農福島の小松さんによると、付加価値をつける必要があると話していて、現在、酒かすを食べさせたウシの試験販売などを行って、ブランド化や差別化を模索しているということです。
今後は、インバウンドによる増加も予想されているので、いかに県産牛のおいしさや魅力をPRするかも重要になります。














