2021年東京五輪自転車競技トラック種目女子オムニアムで、日本女子初の銀メダルを獲得した梶原悠未(26・TEAM Yumi)が1日、快晴となった拠点を置く静岡県伊豆の国市で、練習用のロードバイクにまたがり、新年をスタートした。

「毎日自分と戦ってきのうの自分よりも1cmでも1mmでも強くなっていく、その積み重ねがパリオリンピックの金メダルにつながっていくように、自分史上最高の状態に持っていけるように集中して取り組んでいきます」と2度目の五輪へ、抱負を語った。

「万里一空」の思いで

名峰、富士が優美な表情を見せた元日。東京五輪に続く2大会連続メダルを目指す梶原がパリ五輪への願いや思いを込めて書き初めを行った。書いたのは「万里一空」という四字熟語だ。万里一空は、剣豪・宮本武蔵の座右の銘とされる言葉で、ひとつの目標に向かって努力し続けること、目的、目標、やるべきことを見失わずに励み、頑張り続けることという意味を持っている。

国内で最も自転車競技の練習環境が整う伊豆に引っ越してから5年。自宅近くの廣瀬神社は事あるごとに訪れてきた場所だ。今年も母親の有里さんと初詣に行き、パリ五輪での必勝を祈願。おみくじは大吉を引き当て、満面の笑みがこぼれた。長年、サポートをし続ける母は、「去年はケガが多かった1年だったので健康をお祈りしました」とお願いごとを話し、娘の悠未は、「自分を信じて自信をもって積極的なレースをして表彰台の一番真ん中に立って母に金メダルをかけます」と今年も母との共闘を誓った。

東京五輪は落車も銀 パリ五輪でリベンジ誓う

3年前の東京五輪では、落車もしながらも銀メダルを獲得。もし金メダルを獲っていたら競技から離れる決断を考えていたが、銀メダルにとどまり悔し涙を流した。パリ五輪でのテーマは、リベンジ。2022年にはスイスに単身武者修行を敢行し、初めて長期での寮生活を経験。ここ3年間で走った距離は地球1周分のおよそ4万キロだと梶原は言う。

史上初めて3年間隔で行われるパリ五輪。「東京オリンピックの悔しさをパリの金メダルで晴らして、いつも支えてくださる母に金メダルをかけることを明確に想像して毎日過ごしています」とパリ五輪での雪辱を誓う梶原。母との二人三脚で挑む勝負の年が幕を開けた。