卓球・パリ選考会ランク2位の女子・平野美宇(23・木下グループ)が、最後の五輪選考会対象大会となる全日本選手権が来年1月に開かれるのを前に都内で取材に応じ、「来年、スタートダッシュで全日本選手権が一番大事な大会なのでしっかり結果を出してオリンピックのシングルス枠を勝ち取ってオリンピックに出場する良い一年にしたい」と決意を語った。
2度目の正直 絶対自分が五輪に行く
今年は、7月のWTTコンテンダーザクレブで世界ランキング1位の孫穎莎(23・中国)を破り優勝するなど「一番成長を実感でき、自分の卓球人生の中で上位に入るぐらい良い結果が出た1年」と振り返った平野。東京五輪では当時シングルス代表を決める基準となる世界ランク有効ポイントで、石川佳純に差をつけられ、東京五輪シングルスの代表権を逃し、悔し涙をのんだ。平野は、「2度目の正直でもあるので もう絶対に行きたい気持ちは強いので(代表権を逃した悔しさを)経験している分、最後は絶対に自分が行くんだという強い気持ちで戦いを終えたい。どういう場面でも自分のプレーを一球ずつすることがやっぱり勝ちにつながるのでまずは一球ずつ一本ずつていう気持ちを忘れずに試合をしたい」と自身初のシングルス五輪代表権獲得への強い思いを語った。
「雲外蒼天」いい結果を信じて
平野はこの日、「雲外蒼天」という四字熟語を記した色紙を報道陣に披露した。この言葉は、木下グループ卓球部の倉島監督から教えてもらったもので、今年の書初めにも書いたという。どんな試練でも、努力して乗り越えれば快い青空が望めるという意味で、平野は「試合で上手くこともあれば、いかないこともあるがきっとその上にはいい結果が待っている。それを信じて戦いたい」とシングルス代表枠獲得へ最後の大一番に臨む。
五輪選考会ランク2位の平野と3位の伊藤美誠(23)は34.5ポイント差となっている(日本卓球協会12月11日発表時点で計算)。全日本では平野と伊藤はシード選手のため4回戦から出場。決勝では当たらない組み合わせとなっている。伊藤は初戦には世界ユースで4冠を達成した小塩悠菜(15)と当たる可能性が濃厚だ。ベスト4決定戦では、昨年6回戦で敗れた横井咲桜(19)と当たる。さらに勝ち上がれば、決勝進出をかけた戦いで、選考ポイント4位の木原美悠(19)や5位の張本美和(15)などが待ち構えている。
一方、平野は、順当に当たれば5回戦で14年準優勝の森さくら(27)と対戦。さらにベスト8決定戦では、直近の選考会でも敗れた大藤沙月(19)と当たる可能性がある。準決勝で23年に3冠を達成した早田ひな(23)選手と当たる組み合わせになっている。
■女子 パリ五輪選考ポイント 上位5人(日本卓球協会12月11日発表時点)
※上位2位がシングルス代表権獲得
1位 早田ひな 790.5点
2位 平野美宇 486点
3位 伊藤美誠 451.5点
4位 木原美悠 354点
5位 張本美和 330.5点
■2024年 全日本選手権付与ポイント
1位 120点
2位 100点
3位・4位 80点
ベスト8 50点
ベスト16 20点
ベスト32 10点
■全日本卓球選手権大会 1月22日開幕