景気が減速している中国で今、毎日数千人の買い物客が訪れ、活気に溢れている村があります。にぎわう理由を探ると、村の“裏の顔”が見えてきました。

街中にあふれる“高級ブランド”のロゴマーク。人々が着ているのは、“ブランド物”の洋服ばかりです。露店の女性の服にも“有名ブランド”のロゴマークが。

ここは中国中部、河南省孟州市にある桑坡村。村の中心部には衣料品店が立ち並び、その数は2000以上とも言われています。しかし…

店員
「(Q.これ偽物ですか?)そうです。(Q.本物と同じですか?)90パーセントは同じです」

商品のほとんどは「偽ブランド」、いわゆる“コピー商品”です。

記者
「色々ありますが、ロゴは本物とそっくりですね」

店員
「(Q.本物と同じですか?)“復刻版”ですよ」

本物だと、日本円で数十万円はするダウンコートが、この村の路上ではわずか4000円ほどの金額で売られていました。コピー商品の販売は中国でも違法行為にあたり、店は営業停止などの処分を受ける可能性があります。

記者
「暗くなり、気温は氷点下ですが、こちらの通りは多くの人で賑わっています」

夜になると、買い物をする若者らでさらに活気が増していました。物によっては、本物の10分の1以下の価格で販売されているため、中国各地から毎日、数千人が訪れているといいます。

店員
「(客数は)去年より多いです」
「少なくとも去年の3倍から5倍はいます」

この村が人気となった理由の一つが、景気の悪化です。市民の節約志向が強まり、安い品を求めるニーズは日に日に高まっていると言います。


「全部、価格が安くていいです。質もいいですし」
「(Q.偽物でもいいんですか?)服だから着られればいいんです。私はこのブランドを知りませんでしたし」

“偽ブランド”で賑わう村は、中国の景気悪化を象徴する場所となっているようです。