大分市で起きた時速194キロの車の交通死亡事故をめぐり、裁判員裁判に向けた1回目の公判前整理手続が21日行われました。遺族は「市民感覚との乖離を裁判で明らかにしたい」と語りました。
この事故はおととし2月大分市大在の県道で当時19歳の男が時速194キロで車を走行し、交差点で車と衝突し対向車の小柳憲さん(当時50歳)が死亡しました。
この事故をめぐり大分地検は、男を当初、過失運転致死罪で起訴しましたが、去年12月危険運転致死罪に変更した経緯があります。
21日裁判員裁判に向けた1回目の公判前整理手続が大分地裁で行われました。この中では争点を整理し審理の計画を立てるための手続きが進められました。ようやく裁判に向けて動き始めた今、小柳さんの姉、長さんは…
(小柳さんの姉・長文恵さん)「遺族の時間というのはこの1年も止まったままなので、やっと裁判に向けての動きが見えてきたのかなっていう印象があります」
長さんは当初、危険運転致死罪が適用されなかったことから今年7月に東京で立ち上がったネットワークで法の運用の見直しを求める活動を開始しました。
一方、自民党のプロジェクトチームは20日、岸田総理に危険運転致死傷罪の対象拡大を求める法改正などを提言。岸田総理は「法務省で直ちに検討を開始させたい」と述べました。
(小柳さんの姉・長文恵さん)「声を上げることで大きく広がってきた1年で、市民感覚との乖離をこの裁判で明らかにできたらと思いますし、それが弟の無念を晴らすことになるのかなと思っています」