県の敗訴が言い渡された代執行訴訟。普天間基地の辺野古移設をめぐるこれまでの県と国の攻防を振り返ります。

仲井眞知事(当時)
「承認することと致しました」
10年前、当時の知事によって承認された辺野古沿岸部の埋め立て申請。これに基づき、国は工事を進めてきました。
「辺野古の青い海が土砂で茶色く染まっています」
その5年後、辺野古の海に遂に土砂を投入。
土砂投入に抗議する人
「何から何までめちゃくちゃなことをやってごり押しで基地をつくることに対して絶対許せない」
「沖縄の人がこんなに反対しているのに国は沖縄をなんだと思っているのって私たち怒り心頭です」

これ以降、国は土砂を運ぶ船を増やすなどし、埋め立て工事を加速させていきますが、徐々にある問題が明らかになっていきます。
岩屋防衛大臣(当時)
「地盤改良という新たな要素が加わったので、その分は伸びていくと思いますが、できるだけそれも1日も早く進めて参りたいと思っています」
岬を挟んで北側・大浦湾の水深が深い部分に軟弱地盤が見つかったのです。
以前からこの存在を指摘していた県は、軟弱地盤問題を切り札に、移設工事の阻止を目指します。

埋め立ての賛否を問う県民投票では、投票総数のおよそ7割が反対の意思を示す結果に。
一方国は、地盤を改良し工事を進めるため、改めて県に承認を求める設計変更申請書を提出します。
申請書によると工期はおよそ1.5倍(8年から12年)、費用はよそ3倍(3500億から9300億)に。
玉城知事
「設計概要変更承認申請について本日、不承認とする処分を行いました」

1年7か月の審査を経て、県は防衛局の地盤調査は不十分などとして、申請を不承認としました。
この間、大浦湾側で埋め立ては止まりましたが、辺野古側で工事が進み、99%あまりの埋め立てが完了しています。
国は更に工事を進めるため、承認するよう迫る「是正の指示」などを出し、県は再び司法に訴え、争いは最高裁にまで発展。

県の訴えは退けられ、敗訴が確定しました。
斉藤国土交通大臣
「国土交通大臣としては知事において、今般の最高裁判決に沿って、速やかに変更承認がされるものと考えております」
国は追い打ちをかけるように、県に代わって工事を承認する「代執行」に向けた裁判を提起。

玉城知事自ら法廷に立って訴えましたが、裁判が開かれたのはこの日1回のみで即日結審しました。
そして迎えた12月20日の判決。辺野古をめぐる県と国の攻防は新たな局面を迎えています。