もうすぐ1年が終わる。年末といえば、忘年会のシーズンだ。会が盛り上がれば、カラオケに行こうなんて話になるかもしれない。しかし、コロナもあって数年ぶりのカラオケにドギマギする方もいるのではないだろうか。そんな久しぶりのカラオケでも大丈夫、1曲目に歌うと“喉の調子が良くなる”曲を、歌のプロに聞いた。
1曲目には、“裏声”を使う曲を そのワケは「喉の力みがとれる」
カラオケに行って、1番最初に何を歌うか。歌いたくてカラオケに行ったはずなのに、いざデンモクに曲を入れようとすると、なんだか迷ってしまうのはなぜだろう。
最近人気の曲を歌う?いやいや、過去のヒットメドレーも良い…選択肢は無限大だ。ところが、やっと決めた渾身の一曲を歌ってみても、「今日はうまく声が出せる!」という日と、「なかなか調子がのらないな…」という日がある。
これはもしかして、曲のチョイスの問題ではないか?
カラオケ好きからプロを目指す人まで、数々の生徒に歌い方をレクチャーしてきた、ボイストレーナーのいくみさんに「この曲を一発目に歌えば、“喉の調子が整う”曲」はないものか、疑問をぶつけた。

──いくみさんは50人以上の生徒さんを抱えていると聞きました。みなさん、忘年会シーズンのカラオケに意気込んでいるものでしょうか?
「気合い入ってますよ、皆さん。今年は特にコロナも少し落ち着いてきたからといって、忘年会が多いじゃないですか。カラオケに行く機会も増えているので、そこで歌うために曲を持ってきている人が多いですね」
──この空気感は久しぶりですもんね。さっそく本題です。カラオケの1曲目に歌うと、のどの調子が良くなる曲なんてないでしょうか?
「ボイストレーニングでは、一番最初に発声っていうのをやるんですけど、まず裏声を出させるんですよ。最初に裏声を発声でやってから、地声に持って行って、また裏声に…という順番があるんですけど。難しい質問ですが、そう考えると、裏声ベースの曲を1曲目に歌った方がいいんじゃないかなと思います」
──え!1曲目から裏声ですか?意外に感じますが、その理由は?
「音程を作るには、『甲状披裂筋』と『輪状甲状筋』という筋肉を使っているんです。なかでも、輪状甲状筋が声帯を引き延ばしています。声帯が引き延ばされると、声帯が薄くなって、高い声や、最近のヒット曲で多用されているミックスボイス(地声と裏声の中間)が出しやすくなるんですね」