■クレーム続々&丁寧対応 市役所はつらいよ…

山内アナウンサー:
この丁寧に対応をせざるを得ない状況というのが、他の市からも見えてきました。あるA市役所に寄せられた市民からの「クレーム」です。ご意見と、どんな対応をとったのかが、一覧になっていました。

市民:
仕事中にお菓子を食べるとは一体何事だ!

➡原因調査:昔、午後3時に小休憩があったので、その時の癖でつい食べてしまった。
➡対策:勤務時間中にお菓子を食べることを禁止徹底。

市民:
職員が同僚と談笑してサボっている。

➡原因調査:つい気が緩んでしまった。
➡対策:朝礼で接遇マニュアルを読み合わせ。

さらに、A市役所の職員によると「税金で給料を貰っている立場なので、特に悪質なクレームでない限りは、ひとつひとつ丁寧に対応していくしかない」ということです。

井上キャスター:
ここが民間企業と大きく違うところなのかなと思いますけど、クレームになりうるリスクの芽を組織として早めに摘んでおきたいっていう気持ちは、もちろん大切だし分かるんですけど、クレームをあまりにも意識しすぎて本末転倒になってしまいかねないことも最近起きてないですかとも感じるのですが…

秋元さん:
スペースを分けるとかできないのかなっていうのは思いますね。お客さんと対応するスペースとデスクワークのスペース。「仕事しながらお菓子食べてる」っていうのも、多分お客さんの対応をしている時に食べていたわけじゃなくて、多分デスクワークしている所が見えたみたいな。作業する所を分けたりとか、何かそういう意味だと接客しない仕事なのにルールがあるってのはちょっと働きづらいのかもなっていうのは思っちゃいます。やっぱり(ルールが)厳しいと働く人も減っちゃうこともあるので、何かうまいバランスが見つけられるといいのかなっていうのをすごく感じます。

ホランキャスター:
役所ってお仕事してる姿が丸見えの所が多いですよね。だからって、お菓子を食べるために給湯室に行くっていうのも大変でしょうし、難しいですよね。

秋元さん:
確かに(市役所とかって)オープンですよね。

山内アナウンサー:
オープンだからこそ、これもどうなんだろうという点がありました。今回の、松山市役所の「勤務時間中の身だしなみモデル」は、市民の誰でも通行可能な廊下に、大きく張り出してありました。市によると、「改めて職員に認識してもらうために張り出している」ということでした。梶原市議は「いまどき、中学校でもこんなことはやらない。権力誇示かわかりませんが、情けない」と話していました。

またその組織のあり方についても、2022年3月まで、この市役所の部長級以上の幹部は28人全員が50代・60代の男性でした。梶原市議は「時代遅れの考え方になる部分もあるのではないか」と指摘していました。しかし2022年4月から1人女性が加わりました。とはいえ、いわゆるおじさんたちの中で意見を言うのは難しいのではないかということですが、ちょっとずつ変わっていくかもしれないですよね。

ホランキャスター:
あと、どうしても服装のことって、もし行きすぎた服装をしていても、注意すると今度逆にそれがセクハラだとか、パワハラだって言われてしまうことを避けようとして、こういうマニュアルを作ったっていうこともあり得るわけじゃないですか。

井上キャスター:
もうどの道行ってもリスクがあるから。パワハラやセクハラを未然に防ぐルールだったという可能性もありますよね。