高校ラガーマンの集大成の舞台、全国高校ラグビー。
今月28日に初戦をむかえる名護高校を紹介します。
家族や仲間と共にチーム一丸、花園での勝利を目指しています。
(県予選決勝・実況アナウンス)
「ここはモールで押し込んでいきますが、コザも負けていないが、宮里快一トライ!!!」
全国高校ラグビー県予選決勝。圧倒的な力を見せた名護高校。

「…14番の親里心惟がボールを持つ、タックルは交わした、新里が飛び込んでトライを奪いました!」
中でも周囲を驚かせたのは後半最後のトライ。
「…抜けていった、9番の石嶺、そしてキック、競走になる!宮里快一が走ってきて…トライがコールされました、追加点は名護高校」
脅威のランニングスピードを見せた宮里快一(みやざと・かいいち)。高校日本代表候補にも選出されています。

名護のソウルフード、“ハイケイ”が大好きな宮里。
宮里快一選手
「濃い味付けで、とても旨いです」
隣に住む高嶺空さん
「白米が食べたくなるとか言えよそこは(笑)」
生まれたころからのご近所、高嶺空さんもラグビー経験者。その理由は…
隣に住む高嶺空さん
(Qラグビーを教えてくれたのは?)
「直樹さんです。直樹さんあっての今なんで」
父・直樹さん
「お父さんに振らないでください、振らないでください(笑)」
父でラグビー指導者の直樹さん。直樹さんは、宮里くんが幼いころからラグビーと並行し陸上も教えてきました。
父・直樹さん
「小さい時にちゃんとした(走りの)フォームは作っておこうと思ったので」

ラグビー一家の宮里家は、9歳年上の兄・侑樹さんも早稲田大学を経て今もトップリーグで活躍。小学生のとき、大観衆の中で行われる大学の試合を見てラグビーへの思いを強めました。
宮里快一選手
「沖縄ではありえないぐらいの人で、お兄ちゃんもそのときに初トライもあげていて、それを見てもっとラグビーに打ちこみたいと思いました」
父・直樹さん
「やるからには日本代表になる力をつけてほしいと思います。ワールドカップ、オリンピックに出られるような選手になってほしいです」
しかし、去年の花園を終えて、新チームとなったとき、名護高校には、ある不安がありました。
屋部樹志主将
「去年のチームは3年生がほとんどのチームで、体の大きさや気持ちの部分でも3年生の存在は大きかったので」

3年生主体だった去年のチーム。15人の先発メンバーのうち、残ったのはキャプテンの屋部樹志と宮里だけでした。
宮里快一選手
「3年生が引退したときはめちゃくちゃ不安で、どうなるか心配で、花園も行けるかもわからないぐらい考えていたんですけど」
田仲祐矢監督
「15分の13が抜けたので、まるっきりゼロからのスタートだったので、もちろん不安はあったんですけども、他の部活から転向してきた子がすごく精神的にも技術的にもリーダーになってくれたというところで」

いま練習を覗くと、率先して声をかけあう部員たちの姿があります。
元バスケット部・仲本兼弥選手
「ラグビー部に来てリーダーシップをとる大切だとかしゃべるときに恥ずかしがらないとか、ラグビー以外のことも得られているなって感じがして」
元バスケット部・宮本大雅選手
「(去年)名護高の応援に行って、そこでラグビーっていうスポーツをほぼ初めてみたんですけど、かっこよさに魅せられて入部しました。こんなかっこいいスポーツがあるのかって思って入りました」
去年の県予選決勝でラグビーに魅せられバスケットから転向してきた部員たちです。1年で急成長を見せ主力として活躍しています。

屋部樹志主将
「しかける部分だったりディフェンスの部分だったり、バスケと似ているかなと思うので素人じゃないなと最初思いました。バスケ部でしっかりやっていたこともあって負けず嫌いの所があるのかなと思います」
田仲祐矢監督
「名護高校のラグビー部で人は変われるんだよってことを教えたいとずっと思っていたので、逆にそれを選手から教えられた、すごくこの1年感じています」
元バスケット部・仲本兼選手
(Q何キロぐらい(体重を)増やした?)
「自分は20キロぐらいです」
宮里快一選手
「バスケをやっているときは雪だるまみたいだったけど、身長も伸びて体重も増えて(笑)」
チーム一丸。ラグビーに魅せられた仲間が集う名護高校。
宮里快一選手
「花園に向けて抽選会が行われて自分たちは3回戦まで相手が決まっているので、それに向けて一戦一戦頑張っていき、今年は必ず自分たちの目標を達成して全国で名護高校の名を残したいと思います」
聖地・花園に向けてその思いをぶつけます。
【記者MEMO】
全国高校ラグビー大会は東大阪市の花園ラグビー場で開幕し、全国ベスト16入りを目指す名護高校。
初戦は今月28日、福島県代表の松韻福島と対戦します。