■フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナル(9日、中国・北京)

激戦となったGPファイナルの男子シングルは、ショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(25、トヨタ自動車)がフリーで今季ベスト(191.32点)も逆転ならず2位。日本勢男子では羽生結弦(13~16年の4連覇)以来となる連覇には惜しくも届かなかった。

SP首位のイリア・マリニン(19、アメリカ)は前日成功した4回転半で転倒するが、4回転ルッツ、4回転ループなど超高難度のジャンプを立て続けに決め、5種類の4回転に挑戦。異次元の演技構成で今季世界最高の合計314.66点をマークし、ファイナル初優勝を果たした。

SP3位の鍵山優真(20・オリエンタルバイオ/中京大)は、フリー今季ベストをマークし、初出場で3位表彰台。SP4位の三浦佳生(18、オリエンタルバイオ/目黒日大高)は5位で今大会を終えた。

宇野はこの日は5番滑走。冒頭の4回転ループ、4回転フリップ、トリプルアクセルを決めるが、フリップで回転不足を取られる。続くトリプルアクセルでは1回転になるミス。得点の伸びる後半は4回転-3回転の連続トウループ、4回転トウループは着氷。最後のジャンプはトリプルアクセルからの流れで3回転フリップのコンビネーションに組み換え、序盤のミスをリカバリーした。フリーの得点は、演技構成点でマリニン上回るなど合計とともに今季ベストの高得点をマークしたが、3つのジャンプで回転不足があり、合計で300点台に届かず297.34点の2位。

SP3位の鍵山は、冒頭の4回転サルコウは抜けてしまい2回転に。4回転トウループからの連続ジャンプは成功。後半はNHK杯で転倒したトリプルアクセル(3回転半)、3回転ルッツからの連続ジャンプなどを決め立て直した。終盤は徐々に盛り上がる曲調に合わせて全身をフルに使い、エネルギッシュなプログラムを滑り切った。

SP4位の三浦は、前日から体調不良により練習には姿を現さず。フリーの冒頭は4回転ループに挑戦するが着氷で乱れる。続く単独の4回転トウループを決めるなど、前半でリズムをつかむが、後半は疲れもみられ精彩を欠いた。

【男子シングル結果】
1位)イリア・マリニン 314.66点(SP106.90、FS207.76)
2位)宇野昌磨 297.34点(SP106.02、FS191.32)
3位)鍵山優真 288.65点(SP103.72、FS184.93)
4位)アダム・シアオ・イムファ 278.28点(SP88.36、FS189.92)
5位)三浦佳生 261.53点(SP94.86、FS166.67)
6位)ケビン・エイモズ 219.91点(SP93.20、FS126.71)