福山市のふくやま美術館で、開館35周年を記念した特別展が開かれています。

ピカソ、マティス、そしてシャガールー。多くの有名芸術家を魅了したのが南フランスでした。

「地中海の庭」ピエール・ボナール(1917-18)

特別展「芸術家たちの南仏」では約30人の活動を150点の作品を通じて紹介しています。

こちらはアンドレ・ドランがスペイン国境近くのコリウールの港を描いた作品です。

「コリウール港の小舟」アンドレ・ドラン(1905年)

ふくやま美術館 鈴木一生 学芸員
「原色をそのまま塗りたくったようなコリウールの黄金の輝く光を表現した作品。フォービズムと言われる動きが生まれてくる記念碑的な作品の一つ」

第二次世界大戦中、フランスはナチスに占領されます。

「ジャン・アルプ、アルベルト・マニェッリ、ゾフィー・トイバー=アルプ、ソニア・ドローネー」(1950年刊)

南仏へと集まった4人の芸術家が合作で制作した抽象画は個性豊かで、全体主義への抵抗を示すかのようです。

ピカソが色彩を施した陶芸作品も複数あり、ピカソならではのユーモアを感じさせてくれます。

「女のランプ」パブロ・ピカソ(1955年)

ふくやま美術館 鈴木一生 学芸員
「色彩の鮮やかなものも数多くありますので、南フランスに思いを馳ながら見ていただけるとさらに鑑賞が深まるのかなと思います」

「モーツァルト」ラウル・デュフィ(1915年)

特別展「芸術家たちの南仏」は12月10日まで開催されます。