世界中で普及が進むEV=電気自動車は、CO2排出抑制のためにも期待されています。さまざまな乗用の電気自動車が販売される中、香川県高松市の企業がEVの「働く車」を開発しました。


建設現場で活躍するクレーン車などの働く車。

パワーがあるディーゼルエンジンを使うため、現場に騒音が響くのが以前は当たり前でした。

(古川豪太記者)「今実際に動いているんですが非常に静かです。このクレーンエンジンの部分に電気自動車と同じモーターが使われていて、静かなうえにCO2の排出量もゼロというまさに今の時代にマッチした『働く車』です」

道路を走る時も建設機械によくある、うなるような騒音はありません。

国内だけでなくアメリカでもシェアが5割を超えるタダノが、8日から販売する自走式クレーン「EVOLT(エボルト)」です。

移動はもちろん、クレーンによるつり上げなどもすべて電気を使い、

CO2排出量ゼロの世界初のフル電動クレーンです。建設現場でもCO2削減が求められる中、2年をかけて開発しました。

(タダノ氏 家俊明社長)「環境の問題から言って、我々が動き始めなければ何も始まらない。それが機械を製造しているメーカーがこういう機械を作れるのだということ示すことが第一歩だと」

性能はこれまでの中型クレーンとほぼ同じですが、価格は1台、約1億5000万円と3倍です。

それでも環境に配慮する大手ゼネコンなどから、すでに7台ほどの引き合いが来ているといいます。

(タダノ 氏家俊明社長)「せっかくモノができでも普及していかなければ意味がありません。これをやるためには私たちだけではどうにもなりません。使ってくださる客もそうですし、現場が近くにある方々が声を出していただくことも非常に重要なことだと」

タダノでは、海外向けにフル電動の100トンクラスのクレーンや、需要の多い高所作業車なども開発中です。CO2削減が難しいと思われていた分野の常識を変える新たな取り組みです。