事実上の運転禁止命令が出されている東京電力柏崎刈羽原発について6日、原子力規制委員会は命令の解除について、現地調査などを経て最終判断をすることを決めました。早ければ年内にも解除の判断となります。
IDカードの不正利用など相次いだテロ対策の不備で21年に事実上の運転禁止命令が出された東京電力 柏崎刈羽原発。

子力規制委員会は6日の定例会合で東電に対して実施してきた全27項目の追加検査の結果を示した報告書案を公表し議論しました。

【追加検査チーム 門野利之 副チーム長】「東京電力の改善措置活動の確認が全て終了し、2事案にかかる核物質防護の劣化については改善が図られたと判断する」

追加検査に要した時間は延べ4268時間で、

報告書案では「改善措置を一過性のものとしない取り組み」など、課題が残っていた4項目を含めた全ての項目で改善が確認されたとしています。

さらに、原発を運転する東電の「適格性」について再確認をした報告書案も公表。「経済性よりも安全性を優先する」など『7つの約束』が守られていることを確認したとしています。

委員からは命令解除は報告書だけでは不十分であるという声が上がり、今後は山中伸介 委員長らが原発の現地調査に入るほか、東電の小早川智明 社長と委員全員による意見交換を行い、命令解除についての判断を下すとしました。

【原子力規制委員会山中伸介委員長】「規制当局が改めて東京電力に介入して、核物質防御の取り組みを改善していってもらう状況は脱したと」

報道陣から命令解除判断の時期の見通しについて聞かれるた山中委員長は…

【原子力規制委員会山中伸介委員長】「判断材料がすべて整えば時期とすれば年内にはあり得るかなと」

柏崎市の桜井雅浩 市長は東電に出されている運転禁止命令が解除となった場合、「私としては歓迎する事柄である」と述べる一方で東電に対して苦言を呈しました。

【柏崎市 桜井雅浩 市長】「なぜ追加検査に至ってしまったのか。なぜ禁止命令が出されることになったのか、この年月の意味のなさというか、無駄というか、その部分は十分に改めて感じていただきたい」

早ければ年内にも大きな動きを迎える柏崎刈羽原発、今後の再稼働の議論が注目されます。