秋篠宮家の長男・悠仁さまが先月、初めて研究者との共著で学術論文を発表されました。

国立科学博物館研究報告A類(動物学)に発表された共同執筆による論文は「赤坂御用地のトンボ相 -多様な環境と人の手による維持管理-」で、2012年から去年までの11年間の赤坂御用地内のトンボ類の調査結果がまとめられています。

赤坂御用地内の水域などの地図と写真とともに、確認できたトンボ類について写真を示したうえで、種を分類して特定し、8科38種が確認されたと記しています。

そのなかには、島しょ部を除く東京都内で絶滅のおそれがあるレッドデータブックに記載されているトンボ12種がいることや、絶滅危惧種のオツネントンボとオオイトトンボが含まれていたと記載しています。

論文を提出したあとの今年の夏にヤンマ科のカトリヤンマとネアカヨシヤンマが初めて確認されたとし、記録されたトンボが8科40種となったことが論文の最後に補われて記述されています。

これまで、赤坂御用地内のトンボの調査は15年以上行われていなかったということで、前回調査した2005年の24種から増加した要因などについても考察しています。

この論文の執筆のきっかけは、トンボに詳しい国立科学博物館の清拓哉研究主幹が、去年4月に悠仁さまと赤坂御用地で面会したことです。清研究主幹によりますと、そのときに悠仁さまがパソコンでデータを示しながら赤坂御用地のトンボ相について説明をしたということです。

悠仁さまは、赤坂御所のトンボについての先行研究の論文を読み尽くしていて、その論文に載っていないトンボもたくさん見つけられていたことから清研究主幹は「これは高校生レベルの知識を超えている。私より赤坂のトンボに詳しい」と驚き「論文にまとめましょう」と勧めたということです。

悠仁さまは、清研究主幹の指導を受けながら今年3月に論文としてまとめ、国立科学博物館に提出した後は半年間の査読を受け受理されたということです。共同執筆者でもある清研究主幹は悠仁さまが論文の筆頭著者になっていることについて「この論文は悠仁さまが主体となってデータを取って作業をされたので、最初に名前があるのは当然」と説明しています。

悠仁さまが幼い頃から取り組んできたトンボの研究について、研究者らと共著という形で学術論文を執筆し発表されたのは、初めてです。