■J1昇格プレーオフ決勝 東京ヴェルディ(J2・3位)1-1 清水エスパルス(J2・4位)(2日、東京・国立競技場)

J1昇格をかけたプレーオフの決勝が行われ、清水エスパルス(4位)は東京ヴェルディ(3位)と引き分け。1点リードの後半アディショナルタイムにPKを決められ、土壇場でJ1昇格を逃した。

序盤から両チーム拮抗した展開が続き、前半は0-0で折り返すが、後半にPKを獲得しチアゴ・サンタナ(30)が先制ゴールを挙げた。規定により「勝つことのみ」が昇格の条件だった清水だが、この1点を守れず。アディショナルタイムで、高橋のタックルでPKを献上し、最後は染野に決められJ1復帰は叶わなかった。

一方、東京ヴェルディはビッグチャンスを決め、16年ぶりとなるチーム悲願のJ1復帰を果たした。

清水は昨季J1で17位に終わり、7年ぶり2度目のJ2降格に。J1史上初の「静岡県チーム不在」のシーズンとなり、2016年は1年で復帰を果たしたが、あと1歩及ばず。クラブ初の2年連続のJ2が確定した。

11月25日のプレーオフ準決勝ではモンテディオ山形と対戦し0-0。GK権田修一(34)の欠場というアクシデントがありながらも、代わって出場した大久保択生(34)の好守もあり、年間順位のアドバンテージにより決勝へ駒を進めた。

この日の先発は、GK大久保択生(34)。DFに原輝綺(25)、高橋祐治(30)、鈴木義宜(31)、山原怜音(24)。MFには白崎凌兵(30)、ホナウド(27)、中山克広(27)、乾 貴士(35)、カルリーニョス ジュニオ(29)。FWはチアゴ・サンタナ(30)で挑んだ。

立ち上がりは清水が攻め込む。前半6分、サンタナのクロスから中山のシュート。前半8分にはCKからカルリーオス・ジュニオが頭で合わせるがバーの上。今季チーム78得点でリーグ2位の攻撃力をみせ、相手ゴールに迫るがネットを揺らせず。

前半の中盤以降は、東京Vの中原を起点にした攻撃に苦しむが、密度の高いディフェンスで先制点を与えず。

しかし前半28分、ゴールまで約25mの位置でフリーキックを獲得すると、フリーの乾がボールを受け、シュートを放つがクロスバーの上。その直後もサイドから崩し、最後は去年J1の得点王、エースのサンタナが頭で合わせるがゴールならず。前半終了間際にも中山が右サイドをえぐり、ペナルティエリアに侵入し、ゴール前にボールを送るが、クリアされてしまう。前半は激しく攻守が入れ替わるが0-0で折り返した。

後半は序盤から東京Vの攻撃が続くも、大久保の好セーブなど猛攻を防ぐ。

後半16分、敵陣のゴール前、浮き球に東京V森田がクリアしようとしたが、バウンドした球が左腕に当たり、審判の笛。ボールが触れたとハンドの判定で、PKを獲得。ここでエースのチアゴ・サンタナがゴール右へしっかりと決め、均衡を破る先制点を挙げた。

ここまま逃げ切れば昇格が決まる清水は、中山、山原に代わって岸本、吉田がピッチへ。

残り時間が少なくなる中、東京Vの猛攻で、同点のピンチが続く。後半44分はゴール前の浮き球から染野にシュートを打たれるが、なんとか防ぐ。だがアディショナルタイムが8分となる中、後半49分、ペナルティーエリアに攻め込んでくる染野に対し、高橋がスライディングで防ぐが、ファウル判定となりPKを献上。最後は染野に決められ、土壇場で同点に追いつかれてしまった。