■J1昇格プレーオフ決勝 東京ヴェルディ(J2 3位)1-1 清水エスパルス(J2 4位)(2日、東京・国立競技場)
J1昇格をかけたプレーオフの決勝。J2 3位の東京ヴェルディがJ2 4位の清水エスパルスと引き分け16年ぶりのJ1復帰を決めた。
前半は一進一退の攻防で0-0のスコアレスで折り返す。後半、引き分けでもJ1 昇格が決まる東京Vは、積極的な攻撃を見せる。しかし後半16分、自陣ゴール前に上がった浮き球に対応したDF森田晃樹(23)がペナルティエリア内でハンドの反則を取られ、清水にPKを決められ0-1。敗色濃厚のまま迎えた後半アディショナルタイム、PKを獲得すると染野唯月(22)が決め、土壇場で同点に追いつき、チームの悲願だった16年振りのJ1復帰を果たした。
東京Vは先月26日に行われた準決勝でジェフ千葉と戦い、2-1で勝ち上がりを決めた。リーグ終盤戦から得点に絡み続けている中原輝(27)が公式戦3試合連続ゴールを奪うと、主将の森田晃樹(23)がヘディングシュートで追加点。千葉の反撃を1点に抑えて、16年振りのJ1へ、“あと1歩”のところまで来た。
一方の清水は準決勝でモンテディオ山形と対戦し、0-0。GK権田修一(34)の欠場というアクシデントがありながらも、代わって出場した大久保択生(34)の好守もあり、年間順位のアドバンテージにより勝ち上がりを決めた。東京Vには今季2戦2勝。
東京Vの先発メンバーは、GK、マテウス(30)、DFに宮原和也(27)、林尚輝(25)、谷口栄斗(24)、深澤大輝(25)、MFに中原輝(27)、森田晃樹(23)、稲見哲行(24)、齋藤功佑(26)、FWに染野唯月(22)、山田剛綺(23)の11人。
勝つか引き分ければ東京V、J1昇格には勝つしかない清水。立ち上がり、東京Vは清水に攻め込まれる。前半6分、清水、チアゴサンタナのクロスから中山のシュート。これを深澤がクリア。前半8分にはコーナーキックからカルリーオス ジュニオに頭で合わせられるが、バーの上。序盤は清水に試合の主導権を握られ、東京Vは押し込まれる時間帯が目立つ。
それでも中盤以降、東京Vが反撃に出る。中原が左サイドの森田へパスを送り、敵陣深くからクロス。染野がゴール正面でヘディングもジャストミートせず。再び中原が、右サイドから中央へドリブルを仕掛けて、染野にパスを通し、ミドルシュートを放つが、枠を外してしまう。中原を起点に徐々にボールを支配する時間が増える。
しかし、前半28分、ゴールまで約25mの位置で清水にフリーキックを与えてしまう。すると、ペナルティエリア内でフリーの乾貴士にボールが渡りシュートを打たれるが、ボールは、バーの遙か上に。このプレーをきっかけに、右サイドを再三に渡って崩され、何度もピンチを迎える東京V。GKマテウス、DF林を中心に何とか守り抜き、前半を0-0のスコアレスで終える。
引き分けでもJ1 昇格が決まる東京V。後半開始早々から積極的な攻撃を見せる。6分、中原の右コーナーキックは相手に阻まれシュートまで行かず。それでも、こぼれ球からプレーは続き、最後は宮原がペナルティエリア手前からミドルシュートを放つが、大久保にセーブされてしまう。
後半12分には敵陣で宮原がボールを奪い、齋藤へ繋いでシュートを放つが、ゴール左に外してしまう。チャンスまではいくがゴールは遠い。
すると後半16分、自陣ゴール前の浮き球に森田がディフェンスに行くと、ここで審判の笛が吹かれる。森田の腕にボールが触れたとハンドの判定で、清水にPKが与えられてしまう。ここで清水のエース、チアゴ サンタナに決められ1点を先制されてしまう。
J1 昇格へ後がない東京V。前がかりに清水に攻め込む。中原の右タッチライン際のドリブルも、相手に寄せられて阻まれる。平が清水ゴール前へ縦パスを送り、森田が反応するが、シュートまで至らず。再び、中原が敵陣深い右サイドからクロスを送るも、シュートに行く前にクリアされてしまう。清水の分厚いディフェンスの前に、1点を奪えない。
後半終了間際には、宮原がペナルティエリア中央へ浮き球を出すと、染野がゴールを背にして胸で落として、振り向きざまに右足を振り抜くが、阻まれてしまう。
そしてアディショナルタイム、中原が自陣からディフェンスラインの裏へロングボールを送り、染野が受けて縦に突破し、ペナルティエリア右へ進入すると、相手タックルを受けて倒れる。このプレーがファウルの判定となりPKを獲得。最後は染野が決めて、土壇場で1-1の同点に追いついた。
試合後、ハンドでPKを献上した主将の森田は、「うれしいです。やっとだなって感じです。ホントに良かったです」と、涙を流しながら答え、「サポーターたちを長く待たせたと思います。来年ようやくJ1の舞台でできるので、一緒にまた戦ってください」と力強く宣言。その後、インタビューを受けた城福浩監督(62)も「私が言うのも何ですが、大変長らくお待たせしました」と目を赤らめて絶叫した。














