不登校経験者たちの学び直しの場として注目を集めている「夜間中学」。全国で相次いで設置されていますが、公立の夜間中学は北陸にはまだなく、新設に向けた動きが活発化しています。

「夜間中学」は戦後まもなく学び直しの場として設立され義務教育を十分に受けられなかった人が無料で通える学校です。

近年は不登校経験者の増加などから全国で新設が相次いでいて現在、17都道府県に44校あります。北陸には公立の夜間中学はまだありませんが、2年後の4月に石川県で新設されるなど、全国的に開校を決める自治体が相次いでいます。

2022年度、富山県内では不登校の小中学生と高校生の数が2675人となり7年連続で過去最多を更新。そのうち中学生の不登校が半数を占めるなど、夜間中学の必要性が高まっています。

30日におこなわれた富山県議会の代表質問では、澤﨑豊県議が「不登校や外国人児童生徒が増加している状況を踏まえ、誰でも安心して学べる機会と場所を提供するため夜間中学の設置検討を早期に進めるべき」と発言。

これに対し、富山県教育員会の荻布佳子教育長は、すでに夜間中学を設置している自治体への聞き取り調査を行っているとし、設置へ向けた課題として設置主体や形態、場所、教員の配置、入学者数の把握などをあげました。

富山県教育委員会・荻布佳子教育長:
「誰でも安心して学べる機会と場所を提供することは大切なことであると考えております。具体的なニーズの把握に向けて市町村教育委員会や関係機関団体とも十分に相談、協議を行い適切に対応してまいりたい」

今後、富山県内初の夜間中学設置へ向けた議論の活発化が期待されます。