JA全農いわては29日、製粉会社に販売した岩手県産の小麦から基準値を超えるカビ毒が検出されたとして、会見で陳謝しました。これまでに健康被害は確認されていませんが、自主回収が進められています。

(JA全農いわて 佐竹雅之 副本部長)
「多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」

JA全農いわては29日盛岡市で会見し、陳謝しました。
カビ毒が検出されたのはJA全農いわてが販売した2022年産の県産ナンブコムギおよそ711トンで、出荷総量1471トンのおよそ半分にあたります。
JA全農いわては、対象の小麦は北上市産で、北上市の藤根ライスセンターで集約されたものであると明らかにしました。
小麦は県内外あわせて3つの製粉会社に販売されていて、各社の在庫分およそ307トンを出荷停止にしたほか、すでに製粉され出荷されたおよそ404トンの自主回収が進められています。
カビ毒は体内に入った場合、嘔吐などの症状を引き起こす可能性があり、対象の小麦を使用した食品の製造・販売業者は対応に追われています。

盛岡市の老舗せんべい店「白沢せんべい店」は18種類の商品のうち、17種類の自主回収を進めています。

(白沢せんべい店 白澤一美津 社長)
「人の流れが出てきて『やっときちんとした商売ができるな』と頑張ってきた矢先なので本当に残念」

店舗は当面の間臨時休業となりますが、すでに工場や器具の清掃、別の小麦の手配を進めています。

(白澤社長)
「再開を待ち望んでくれているお客様の声を直接電話やSNSで頂戴しているので、少しでも早く生産が再開できるように頑張っている」

JA全農いわてによりますとこれまでに健康被害の報告は無いということです。現在、県の助言を受けながら対応を進めていて、自主回収の他に原因の解明や再発防止策の策定も行うことにしています。