金沢市の老舗衣料品店が今年から始めたのは、高齢化に伴い、店を訪れにくくなった客に寄り添う新たなサービス。一体どのようなものなのか取材しました。
金沢市の近江町いちば館1階に店を構える「オーミスーパー」
「近江町の原宿」としても知られ、28日も多くの買い物客で店内はにぎわっていました。

ただ、こちらの店では老舗ならではの懸念を抱えていました。

オーミスーパー 松岡暢也社長
「今までよく来てくださった客の顔が見えなくて、施設に入ったという話をいっぱい聞いた。それでこちらが何とかしなくちゃいけない」
高齢化に伴い、昔から来ていた層の客足が段々と遠のいているといいます。
高齢の客に向けて新たな取り組み「商品を自宅まで」
こうした状況を打破しようと、店が今年6月から始めた取り組みの1つが「オーミQ便」
店から近い市や町を対象に、電話やウェブで注文を受け付け、商品を直接自宅まで届けるサービスです。5000円以上の購入で配達料は無料、気になる商品も合わせて伝えることで自宅にいながら自分にあった商品を手に取ることができます。
ただ、28日は個人の自宅ではなく、連絡を受けたある場所へ。
いつもより多くの冬用品を積み込み向かった先は、野々市市でデイサービスなどを行う介護施設「ひなの家 押野」です。
実は今回、施設からの要望を受けて、配達だけではなく、利用者が実際に商品を見て選べる出張移動販売を行いました。
利用者は会話を弾ませながら、それぞれのペースで服選びを楽しみます。

施設の利用者
「助かるよ、こんな杖ついているからどこも出ていないし。娘に買ってもらっても自分の好みと合わないしさ」
ひなの家押野 在宅サービス課秋田利恵課長
「こんな風に楽しそうに客同士があなたこの色似合うんじゃないとか、私これがいいよねとお互いに声かけ合って。こういう場面じゃないとない交流かなと思う」
オーミスーパー 松岡暢也社長
「(利用者が)一生懸命商品をさがしている姿は見ていてうれしい、もっと力を入れていきたいと思う」
なかなか店を訪れることができない客に直接商品を届ける新たな取り組み。店ではこの先の展望として、高齢者宅の見守り活動なども見据えているということです。














