ツキノワグマによる人身被害が相次いでいることを受けて、岩手県は27日、緊急の対策会議を開きました。冬眠の時期になっても被害が懸念されるとして県民に注意を呼びかけています。

(達増知事)
「クマが皆さんの近くにいるかもしれないという危機意識を持ち、注意警戒を徹底されるようお願いする」

県が開いた27日の緊急対策会議には、猟友会の関係者や獣医師など合わせて16人が出席しました。
県によりますと県内では今年度、クマによる人身被害が11月20日現在で過去最多の44件起きていて、47人が被害に遭いこのうち2人が亡くなっています。
捕獲頭数は昨年度の419頭に対して820頭と倍近くに増えています。

会議に出席したクマの生態を研究する岩手大学農学部の山内貴義准教授は、冬眠の時期になっても被害が懸念されると警鐘を鳴らしました。

(岩手大学農学部 山内貴義 准教授)
「人を恐れなくなったクマが増えていて人里にある柿や栗をずっと食べ続けていくとエサある状態が続いてしまうので、気温も関係するが条件が重なると冬眠が遅くなることも十分考えられる」

県はこの会議で県民への情報発信を強化することを確認し、来年度の予算編成でクマ被害対策を検討する方針です。