全国でバスの運転手不足が深刻化する中、岩手県滝沢市で27日、バスの運転体験会が行われました。担い手不足解消に向けた運行会社の新しい取り組みです。

この体験会は、バスの運転手の確保につなげようと岩手県北バスが初めて企画したものです。
27日は滝沢市のSTモータースクール北校で、参加者6人が教習用の36人乗りのバスを実際に運転しました。

参加者の中には憧れていたバスの運転手を目指す男性も。

(参加した18歳の男性)
「大型なのでカーブが難しかったです。運転手さんはかっこいいのでそれになれるようになりたいです」

(記者の体験リポート)
「それでは私もバスの運転を体験してみたいと思います」
「かなり内輪差が大きくてハンドル回しが難しかったんですけど、見晴らしはとても良くて楽しい運転になりました」

運転体験のあとは、希望者に岩手県北バスの会社の説明も行われました。
岩手県北バスは県内の路線バスの運転手は確保できているものの、新型コロナの5類移行を受け高速バスや貸切バスに関しては需要の回復とともに運転手が不足しているということです。
さらに、来年度から運転手の時間外労働に規制が設けられる「2024年問題」もあり、全国的に人手不足となることも懸念されています。

(岩手県北バス 安保道子 人事担当マネジャー)
「どれだけ参加してくれるのか心配だったんですけども、最終的に6人に参加してもらったので、やってみたいという方はかなりいるかなと思いますので、これからもやってみたいと思います」

県内ではバスの運転手不足の影響が出ています。岩手県交通は北上や奥州と金ケ崎町を結ぶ2つの路線を運転手不足などを理由に来年度末で廃止することを決めていて、21日にはこの路線を通学で利用する高校生などが路線の存続を求める要望書を提出しました。
バス路線の廃止は県民の生活に影響が及ぶことから、地域の公共交通維持に向けた取り組みが求められています。