■クイーンズ駅伝(26日、宮城県松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台)

女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝が26日、宮城県松島町をスタートし仙台市にフィニッシュする6区間42.195㎞のコースで行われ、積水化学が2年ぶり2度目の優勝に輝いた。

2区で山本有真(23)が区間賞の走りをみせると、エース区間3区で世界陸上ブダペスト・マラソン代表の佐藤早也伽(29)が激しい首位争いを制し、トップで襷をつないだ。後半は5区の新谷仁美(35)らが逃げ切り、2021年の初優勝に続く2度目の栄冠を手にした。

スタート時の気温10℃、湿度44%、風速3.9mと青空が広がるベストコンディションとなった。今大会は25チームが出場し、当日のオーダー変更は全チームなし。

レースの主導権がかかる1区(7.0㎞)はスタートから前回の覇者、今年の世界陸上ブダペスト大会10000m代表だった資生堂の五島莉乃(26)が1.5㎞付近で飛び出し、2.2㎞付近で独走状態を作った。五島はスピードに乗った走りで2019年、廣中璃梨佳(23、JP日本郵政G)の記録を抜き21分27秒の区間新記録をマーク。2位集団に39秒の差をつけてタスキを渡した。

資生堂の独走となった2区(4.2㎞)、スピード勝負の短い力で積水化学のルーキーで8月の世界陸上ブダペスト5000m代表だった山本有真(23)が1.5㎞付近で3人抜きで2位集団を引っ張った。資生堂が1位でタスキを渡すと積水化学は山本が区間賞の走りで26秒差の2位に詰め寄った。

◆エース区間3区で佐藤が廣中と激しいデッドヒート

エース対決となった3区(10.6㎞)、トップでタスキをもらったパリ五輪マラソン代表内定の一山麻緒(26)が4㎞付近でスピードが落ちると、4.5㎞付近で2位の積水化学の佐藤早也伽(29)に抜かれ、5㎞付近でパナソニックの渡邊菜々美(24)、JP日本郵政グループの廣中にも抜かれた。

また、3位の第一生命グループはMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で優勝し、パリ五輪マラソン代表内定の鈴木優花(24)もMGCから1か月という疲れが残り、一気に3人に抜かれて6位に順位を落とした。

MGC組が苦戦する中、JP日本郵政グループの廣中は安定感のある走りで順位をあげていき、7.5㎞付近でトップの積水化学の佐藤を捉えた。残り500mで廣中がスパートをかけたが佐藤もついていきトップ争いはデッドヒートとなった。最後の最後、残り200mで世界陸上ブダペスト大会マラソン代表の佐藤が引き離し、積水化学が1位でタスキリレーをした。

積水化学が4区でもトップをキープすると5区(10.0㎞)の新谷仁美(35)に2位とは16秒差でタスキが渡った。スタートから単独での走りとなったが自分のペースでスピードに乗り、5㎞で2位との差は1分6秒とタスキをもらってから50秒の差をつけた。残り5㎞でもペースが落ちず2位との差を1分2秒としてアンカーの森智香子(31)に繋いだ。

去年はメンバーから外れ走れなかった森は今年、アンカーを任された。11月25日が31歳の誕生日だった森は新谷が作ったリードをしっかり守り切り、大きく右手をあげてゴールテープを切った。そして、ガッツポーズを力強く見せた。積水化学が2年ぶり2度目の優勝を果たした。

レース後、3区の佐藤は「昨年悔しい思いをしたので、みんなで笑顔で優勝したいと思っていた。(廣中とのデッドヒートについて)そこは譲れないという思いが強かったです」と振り返り、5区の新谷は「ここにいるメンバーのおかげで、ずっと映れることができた。毎年注目チームと言われるのは幸せなことだと思います」と優勝の喜びをかみしめた。

上位8チームまでに与えられる来年のシード権争いは5区、10位でタスキを繋いだ東京五輪マラソン代表だった天満屋の前田穂南(27)が1.2㎞付近で2人抜きで8位へ、9位のルートインホテルズとの差を1分2秒つけてアンカーに託した。アンカーの大東優奈(25)が順位を1つあげて7位に入り、4年ぶりのシード権を手にした。

プリンセス駅伝で優勝し、クイーンズ駅伝に出場した岩谷産業は8位に入り、チーム初となるシード権獲得となった。

【クイーンズ駅伝2023結果】
優勝:積水化学
2位:JP日本郵政グループ
3位:パナソニック
4位:資生堂
5位:ダイハツ
6位:第一生命グループ
7位:天満屋
8位:岩谷産業
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9位:三井住友海上
10位:エディオン