■J1第33節 ヴィッセル神戸 2-1 名古屋グランパス(25日、ノエビアスタジアム神戸)

ヴィッセル神戸は、勝てば優勝が決まる大一番で名古屋グランパスを2ー1で下し、悲願のリーグ初優勝を果たした。

前半に井出遥也(29)、武藤嘉紀(31)のゴールで主導権を握るが、1点を返され2-1で折り返す。後半は同点の危機も粘りのディフェンスで乗り越え、1点リードで逃げ切った。大迫勇也(33)がこの試合2アシストで2ゴールを演出。

前日(24日)、2位の横浜F・マリノスがアルビレックス新潟とスコアレスドローとなったため、神戸は勝ち点差1の首位でホーム最終戦を迎えたが、見事勝ち点「3」を掴んで勝ち点差を「4」とし、最終節を残して悲願の初優勝を達成した。

この日のスタメンはGK前川黛也。DFは初瀬亮、山川哲史、マテウス・トゥーレル、本多勇喜。MFは扇原貴宏、佐々木大樹、酒井高徳、井出遥也。FWは武藤嘉紀、大迫勇也で挑んだ。

序盤から両チーム攻守が激しく入れ替わり、拮抗した状況が続いたが、前半12分、スローインからのこぼれ球を酒井が頭でつなげると、ペナルティーエリア前で大迫が受けてゴール前へスルーパス。裏に抜け出した井出が角度のないコースをゴール右隅に決め、早い時間帯に先制点を挙げた。

さらに直後の14分、佐々木がボールをキープし、ペナルティーエリア手前で左サイドの大迫にパスを送ると、大迫の低いクロスボールに武藤がゴール前で合わせ、すぐさま2点目を奪った。だが前半30分に、キャスパー ユンカー(29)のシュートを許し1点を返される。

その後もヒヤリとする場面が続き、ゴール前でユンカーが押し込んだボールを戻った山川が身体を張って阻止。直後に中谷のヘディングシュートで狙われるなど、名古屋が攻勢を強めるが、なんとか防いで前半を2-1で折り返した。

後半は立ち上がりからなかなか良い形が作れない展開が続いた。

17分は、酒井の縦パスを受けた大迫がDFをかわしながらゴール前にパスを送り、武藤がヘディングで合わせるもディフェンダーに阻まれる。23分は初瀬のクロスに胸でトラップした大迫が右足でシュートを放つが、惜しくもクロスバーの上。徐々に追加点のチャンスが増えていく。

だがなかなか追加点が奪えない神戸。終盤は防戦の展開に苦しみ、同点の危機が続いたが、最後まで守り切り2-1で逃げ切った。

今季は開幕3連勝でスタートすると、5月は無敗で勢いに乗る。7月、8月の敗戦は22節(横浜FC戦)のみ。9月3日の26節で京都に逆転勝利で首位に浮上すると、次節の広島戦を落とすが、28節から引き分けを挟んで5連勝。連覇を狙う横浜F・マリノスを振り切り、Jリーグ30周年のメモリアルイヤーは、神戸がクラブ初のJ1優勝に輝いた。