10月の全国の消費者物価指数は1年前より2.9%上昇し、伸び率は4か月ぶりに拡大しました。

人手不足を背景に“値上がり”の主役は「モノ」の価格から「サービス」の価格へ移りつつあります。

10月の消費者物価指数は1年前より2.9%上昇し、電気・ガス代の政府補助半減で4か月ぶりに拡大しました。これまで値上げの主役であった「食品」の上げ幅は前の月から縮小し、食品の“値上げラッシュ”は一巡しています。

一方、消費税増税の影響を除くと1993年以来、30年ぶりの歴史的な伸び率を記録したのが「サービス」です。

宿泊料やレンタカー料金、テーマパーク入場料、運送料などの「サービス」の価格は軒並み上昇。背景にあるのが深刻な人手不足です。

人手不足を理由とする倒産は年間ベースで今年すでに過去最多を更新。企業は人材を確保するために給料を上げざるをえず、人件費増加で「サービス」価格の上昇も進んでいるのです。

ただ、実質賃金は18か月連続のマイナスで、まだ物価高には追いついていません。原油高騰や円安を背景にしたこれまでの「悪いインフレ」から脱却し、物価も賃金も上がる「好循環」が本格化するか、日本経済は分岐点を迎えています。