今年、北海道内ではクマの目撃が相次いでいますが、合わせて問題になっているのが、クマの駆除にまつわる行政への行き過ぎた苦情です。過剰クレームは、なぜ、起きるのでしょうか?
中山峠のクマ(視聴者撮影)
「待って待って待って…やばい、危なすぎる」
落石防止の柵の上に登るクマ。今月15日、札幌市近郊の中山峠で撮影されました。
各地でクマの目撃が相次いでいる今年、道がX(旧ツイッター)に投稿したメッセージが反響を呼んでいます。

道公式X
「ヒグマ有害捕獲へのご理解のお願い」
「捕獲への非難は、その担い手確保の支障となりかねません。こうした社会的重要性について、どうかご理解をお願いします」
異例の投稿メッセージの閲覧回数は、すでに2100万回以上。
背景には、やむを得ない駆除に対する行政への過剰なクレームがあります。

「うそをついてただクマを殺しているだけだ」
「クマを殺したいんだろう」
北海道 ヒグマ対策室 武田忠義主幹
「多い日には日に10本ぐらいの電話があり、1本1本の電話が長いので仕事にも大きく差し障った」
きっかけのひとつになったのは、66頭の牛を死傷させたクマ=OSO18が7月に駆除されたことでした。
直後の9月から11月22日までに、北海道に寄せられた抗議の電話は111件にのぼります。

「クマを捕獲すること自体許せない」
「北海道には二度と行かない。北海道産の商品は買わない」
北海道 ヒグマ対策室 武田忠義主幹
「捕獲したハンター個人まで特定して、非難するような電話がたくさんあった。有害性のあるヒグマを捕獲している。どんなヒグマもすき好んで殺しているわけではない」