岩手県内の様々な行事で、演奏を行う「県警音楽隊」が、25日の定期演奏会を前に猛練習を続けています。音楽を奏でる隊員の、もう一つの顔に迫りました。
響き渡る美しい音色。16日、岩手県滝沢市の体育館で県警音楽隊の隊員が9日後にせまった定期演奏会へ合奏の練習を行っていました。
県警音楽隊は、県民と警察を結ぶ音の架け橋として1965(昭和40)年に発足しました。以来、県内各地のイベントに出演し、演奏を通して交通安全や防犯を呼びかけています。
現在の隊員は26人。その一人、有馬歩巡査長は、打楽器を担当しています。音楽隊に配属されて、3年目です。

有馬巡査長は、小学3年生から大学卒業まで「水泳一筋」の生活でした。2019年4月に警察官として採用されましたが、それまで楽器に触れる機会はほとんどありませんでした。
(有馬歩 巡査長)
「やはり経験者の方には当然及ばないんですけど、経験者の方にも負けないように、人一倍努力して日々訓練しております」
最初は楽譜を読むこともできなかった有馬巡査長。それでも猛特訓を重ね、鉄琴やシンバルなど、20種類以上の楽器を操り、一人前の演奏者となりました。
そんな有馬巡査長のもう一つの顔は・・・
「実は私、高速道路交通警察隊直轄隊で兼務をさせていただいております」

県警音楽隊は、全員が普段は県内の警察署などで勤務しています。
有馬巡査長は日夜、交通違反を取り締まる警察官として勤務しながら、音楽隊の練習に参加する日々です。
交通安全を取り締まりと、音楽隊員の二刀流をこなす有馬巡査長。県民と警察の懸け橋として25日、大船渡市のリアスホールで開かれる県警音楽隊の定期演奏会に出演し、日ごろの練習の成果を披露します。