岩手県大槌町が議会で議決した条例や規則の公布手続きをしていなかった問題で、発覚から2年近くが経った23日、町は初めて住民への説明会を開き直接、陳謝しました。

午前と午後の2回行われた住民説明会にはあわせて34人の住民らが参加しました。平野公三町長は「法令を遵守しなければならない立場にありながら条例規則の公布手続きに不備があった」として陳謝しました。
町は2020年4月から翌年9月までのおよそ1年半、議決された条例46件と町長が決裁した規則36件について公布を知らせる文書を役場前の公告板に掲示していませんでした。不適切な公布処理があった条例には介護保険料や町税の改正などが含まれていました。
住民からは「住民が被る不利益の中身の説明がなく、よく分からない」、「監査やチェック体制はどうなっているのか」といった声があがりました。
今後の対応について平野町長は、「公共の福祉に適用する事業であることから条例や規則は公布されたものとしてこのまま事務を進めることにご理解をいただきたい」と述べました。

(大槌町 平野公三 町長)
「さまざまな思いを語られたことについてはしっかりと受け止めながら、役場内でも情報共有しながら進めてまいりたい」

この問題について町は10月、町議会に不備があった条例を新たに整備する条例案を提出しましたが否決されています。