多様性の時代ということで、髪型や服装の自由化が広がっています。
髪色の規定を撤廃した保育所、タトゥーOKにしたスシロー、服装自由化した りそな銀行。それぞれの取り組みを紹介します。
保育所の髪型規定 保護者の賛成7割で撤廃に
南波雅俊キャスター:
都内で保育所を運営する「さくらさくみらい」では、2023年8月に職員の髪色の規定を撤廃しました。元々は黒か自然な茶色というものだったんですが、これが自由になりました。
保護者1663人にアンケートを実施しましたが、賛成が74.6%と7割を超えているんです。「さくらさくみらい」としては、多様性の尊重する社会に変容している中で、子どもたちの模範であり、憧れである保育士が自由に自分らしさを表現することはプラスになるのではと。もう一つは、保育士のモチベーションアップというところが目的だそうです。

スシローは染髪OKタトゥーOK「国籍を超えて色々な人がいる」なかで人材確保
スシローも規定が緩和されました。ヘアカラーはもちろんですが、ウィッグ、ひげ、アクセサリー、タトゥー、ヒジャブも、帽子やマスクなどに入れることを規定として、OKになりました。
なぜ緩和されたのかといいますと、ポスターには「年代・国籍を超えていろいろな人がいる。働きがいがある」ということも書かれていますが、やっぱり、生き生き働ける職場は長く勤めてもらえる。飲食業界は人手不足と言われていますから、つまり人材の確保を大きな目的としています。
規定緩和から20日経って効果はどうだったか広報担当者に聞くと、「モチベーションが上がったという声が届いている」そうです。

井上貴博キャスター:
学校の教師などもそうですけど、保育士の方や、飲食店に勤めている方にも、どんどん広がっていけばいいなと思いますけど、どうしても“教師らしく”“保育士らしく”“従業員らしく”、“○○らしさ”っていうのが思考停止させるなっていうのは思うんですよ。
慶応大学特任准教授/プロデューサー 若新雄純さん:
その文脈でいうと、多分その意味でも“○○らしさ”はその人の個性というよりは、社会全体で相互に拘束し合った“らしさ”だと思う。つまり、「みんな髪色を黒くしてるのに、あの人だけそれを守ってないなんて許せない」みたいな。ということは、お互いに「もういいじゃん」ってなったら、お互いにかけ合って枷が外れるわけなので、一気にこの流れは進むと思うんですよ。つまり、「学校の先生って誰も髪なんか染めてないじゃん」っていう、相互に拘束しちゃってることが“らしさ”。これが窮屈だったと思うので、そこから個人がどうしたいかっていう“らしさ”に。社会的に決められた“らしさ”から個人がどう主張するかに変わっていくと思いますけどね。
ホラン千秋キャスター:
でも不思議なのが、私たちって、例えば髪の色であったり、どんなアクセサリーをつけているか、どんな服を身にまとっているかで、この人はどういう属性なんだろうと幾分かは推測するわけじゃないですか。そうなると、責任がある立場の職業になると、それっぽい格好をして欲しいなってやっぱり思いますし、してくれないと批判が来たりするので。それと企業側がどう向き合ってるのかなっていう。大変な部分もきっとあるんだろうなと感じますね。