和歌山県の串本町と那智勝浦町を結び、去年9月に工事が完了した「八郎山トンネル」で天井のコンクリートに空洞が存在し、厚さが不足していたなど施工不良が見つかった問題で、専門家による「技術検討委員会」は安全性を確認するため、トンネル内ほぼすべてのコンクリートを取り壊す方針を決めました。

発覚のきっかけは「照明の設置工事で穴をあけ貫通」

発覚のきっかけは、トンネル工事の終了後に、行われた照明の設置工事でした。当時作業員が設置をしようと、アンカー用の穴をあけたところ、コンクリートを貫通して内部に空洞があることがわかったということです。

 本来の設計なら、コンクリートの厚さは30センチ必要なのに、最も薄いところで、わずか1/10の「3センチ」しかなかったということです。発覚当時、会見を開いた県担当者は「現場の管理がされていないことに正直に驚きを隠せない。非常に遺憾」などと話していました。