今年12月1日から、全国の刑務所や少年院で始まる新たな制度をご存じでしょうか?

刑務所や少年院の職員が、事件の被害者や遺族から「今の思い」を聞き取り、受刑者らに伝えるというものです。被害者の心に寄り添うとともに、受刑者らの更生に繋げるのがその狙いです。

受刑者らはこれまで、個別に被害者から手紙を受け取ることはありましたが、制度として心情を知る機会は設けられていませんでした。制度の運用を前に岡山刑務所できょう(16日)、報道陣向けに説明会が行われました。

この制度は、服役中の受刑者らへの気持ちの伝達を、希望する事件の被害者や遺族が使うことができます。

利用方法はまず、最寄りの刑務所や少年院などに申出書を提出します。

次に実際に受刑者らが暮らす施設を訪れ、専任の被害者担当官に思いを伝えます。

担当官は書面を作成し、内容を受刑者らに読み聞かせます。

被害者側が希望すれば受刑者がどういう反応をしたか、書面で知ることもできる制度です。

岡山刑務所では担当官を4人、岡山少年院では2人配置して対応することにしています。

(被害者担当官に就任する岡山少年院の職員)「(被害者の心情が)きちんと正しく伝わるようにやってまいりたい」

(岡山刑務所 平井良樹所長)「受刑者のためだけではなくて、被害者のみなさんのためでもあると思うので、そういった心をきちんと受け取って対応をしていきたい」

法務省では、今月末までに申出書のダウンロードもできる専用のホームページを作成することにしています。

岡山・香川では岡山刑務所、岡山少年院、高松刑務所、四国少年院、丸亀少女の家で聞き取りが行われます。