つまり、11月が寒いと冬眠入りが早くなり、逆に暖かいと冬眠入りは遅くなる。
一方、3月が寒いと冬眠明けは遅くなり、逆に暖かいと冬眠明けが早くなる傾向があるというわけです。

島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科 田川哲さん
「クマは、エサがなくなると冬眠をします。エサがなくなったり、根雪と言われるようななかなか解けない雪でエサを探せなくなったりすると冬眠に入ります。だから平均気温などが影響してくるんだと思います」

一方、クマの目撃情報は、12月以降、さらには1月や2月にも確認されていて、「冬はクマが冬眠するから安心」と油断することのないよう、警戒が必要です。

島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科 田川哲さん
「島根県でも直近3年の平均で、12月は31回、1月は4.6回、2月は1.6回の目撃情報がありました。基本的には道路沿いとかで目撃された「うろつき個体」であったということでした。
また、お正月にかけて捕獲されたという事例もありました。
動物園では、エサの量を調節するなどして、クマを冬眠させないこともありますが、日本の自然界では冬眠しないクマがいるかは正直分からないというのが正直なところです」

鳥取県でも12月~2月にクマの目撃情報は確認されていて、鳥取県によりますと、2022年度は2件、2021年度は3件ですが、2020年度は14件、2019年度は9件確認されています。

島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科 田川哲さん
「今年はやはり暖冬と言われていますので、積雪が遅くなることでエサを探せる期間が延びることで冬眠入りが遅くなって、冬眠明けが早くなる可能性があります。12月になったからとか、雪が降ったからといって安心することなく、冬の間は「うろつき個体」には注意が必要です」

冬山や雪山であっても、クマ鈴やクマ撃退スプレーを持ち歩くなど、基本的な対策を怠らないようにすることが重要だということです。