政府が認定している拉致被害者で、北朝鮮に残されているのは横田めぐみさんや曽我ミヨシさんら12人。

日朝首脳会談が行われた2002年以降、誰一人帰国を果たせていません。

事態が膠着する中、朝鮮半島情勢に詳しい東京国際大学の伊豆見元 特命教授は、今年、日朝間である動きがあったとみています。

東京国際大学 伊豆見元 特命教授
「3月と5月に東南アジアのどこかの国でいわゆる接触、非常に低いレベル(実務者レベル)での協議があったことは確実だと思います」

しかし「全ての拉致被害者の帰国」を求める日本と、「問題は解決済み」との姿勢を崩さない北朝鮮の間で隔たりが大きく、接触は難航。

ただ、5月に岸田総理が日朝首脳会談の実現に意欲を示すと、北朝鮮の外務次官は「拉致問題は解決済み」とした上で談話を発表しました。

北朝鮮外務省 パク・サンギル 次官
「もし日本が過去にとらわれず新たな決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、両国が互いに会えない理由はない」