76歳の漫画家がコミティアに挑戦へ

高校卒業後、電化製品のセールスマンや、タクシーの運転手など仕事を転々としながら、まったくの独学で漫画を描き続けました。そして1973年、「沖縄決戦」でデビュー。その後、沖縄を題材にした作品を次々と発表していきます。

新里さんの作品は、証言資料や記録に基づき、住民や兵士の姿を克明に劇画にすることによって、沖縄戦の実像に迫るものとなっています。

漫画家 新里堅進さん
「当時は何をつけてたのか、着物だったのか、洋服だったのか、履物は草履か裸足かって感じで、みな要求されるわけですよ。それはキャラクター達が要求するわけですよ。だからこそ僕ら漫画家は勉強しなくちゃいかんのです」

漫画家デビューから50年。新里さんは、新たな挑戦をすることに決めました。
来月東京でひらかれる、同人誌の即売会・コミティアに新作を携え参加します。

漫画家 新里堅進さん
「そこで通用するのかななんて思ったりして。不安だったんだけど、いいチャンスだからと思って。沖縄戦のことはね本土の人たちはあんまりよく知らないっていう人が多いですよ。だから、知ってもらいたいという気持ち。特に若い人たちにね」

「体験者が亡くなっていくし、僕はこういう形でバトンタッチしていかなくちゃいけないなと思ってるわけです。そうそれが自分のね、使命じゃないかなと思ったりもする」

戦場で無念の死を遂げた人たち、生き残った人たちの代弁者としてペンを握り続ける新里さん。強い信念を胸に、表現の場を広げようとしています。

【記者MEMO】
新里堅進さんの新作「やんばるの戦い」は1000ページを超える大作となっているそうで、来年の慰霊の日までの出版を目指しています。

東京で開かれる同人誌即売会には、このうち100ページを抜粋して冊子として販売します。

現在、印刷費用や渡航費の支援を求めてクラウドファンディングをおこなっています。締め切りは11月15日です。