自衛隊の統合演習で徳之島空港では13日、戦闘機の離着陸訓練が県内の民間空港で初めて行われました。
午後3時半ごろ、徳之島空港に飛来した航空自衛隊のF−15戦闘機。
滑走路に着陸してすぐに離陸するタッチ・アンド・ゴーと呼ばれる訓練。県内の民間空港で行われたのは初めてです。
沖縄の自衛隊基地が敵の攻撃を受けて使えなくなったとの想定で、海洋進出を進める中国を念頭に置いたものとみられています。
およそ3分間、那覇基地から来た4機が1回ずつ離着陸しました。
(徳之島町民)「迫力がすごい」
(伊仙町民)「すごかった、見たことなかったから」
13日、訓練をしたF−15は、航空自衛隊の主力戦闘機で、およそ200機が配備されています。
元・航空自衛隊の空将で、麗澤大学の織田邦男特別教授は、優秀な戦闘機と評価します。
(麗澤大学・織田邦男特別教授)「機動性がいいので、空戦(空中戦)では、敵から見たらあなどれない戦闘機。航続時間・距離でも非常に優位」
訓練は徳之島空港で15日も行われ、今月17日から19日には奄美空港でも初めて行われます。
こうした民間空港を使った訓練は、国が去年改定した安全保障関連3文書に示されている「有事を見据えた空港や港湾の利活用」に基づいたものです。
(麗澤大学・織田邦男特別教授)
「南西諸島には航空自衛隊の(戦闘機が使える)基地が那覇にしかない」
「いざ有事が起きても我々はいろんなところから作戦を運用できることを見せる狙い」
「戦争を起こしてはだめ。起こさないために抑止力を高める。その一環として民間飛行場を使う」
一方で、民間空港が狙われるおそれがあると、否定的な見方をする専門家もいます。
(基地問題に詳しい沖縄国際大学・前泊博盛教授)
「民間空港まで有事の際に使えるよう訓練するのは、非常に疑問」
「訓練を受け入れることは、有事を受け入れること。それで本当にいいのか、自らに問いかけてほしい」
住民の意見はさまざまです。
(伊仙町民)
「怖い。心配ですよ。戦争始まったら全滅」
(徳之島町民)
「音がすごかった。自衛手段で必要とは思う」
訓練に容認の立場で、徳之島空港がある天城町の森田町長は現地で訓練を視察しました。
(天城町 森田弘光町長)「地域の方々と情報を共有しながら、国を守ることについて共有できれば」
徳之島空港にはレーダーで敵を監視する航空自衛隊の早期警戒機・E−2Cも飛来しました。
今後およそ1週間、ほぼ毎日飛来し給油などが行われる予定です。南西諸島の防衛強化という方針のもと、県内での訓練は20日まで行われます。
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