エンゼルスからFA(フリーエージェント)となっていた大谷翔平(29)が自身のSNSでロサンゼルス・ドジャースとの契約が合意したと発表。代理人事務所によると10年総額7億ドル(約1015億円)で、メジャー史上最高となる超大型契約だという。
注目された大谷の新天地が、エンゼルスと同じロサンゼルスを本拠地とするナ・リーグ西地区、ドジャースに決まった。大谷争奪戦の“本命”とされてきたドジャースは、リーグ優勝24回、ワールドシリーズを7度制覇した強豪チーム。かつては日本人メジャーリーガーのパイオニア、野茂英雄氏が在籍。その後も黒田博樹氏(現広島球団アドバイザー)、ダルビッシュ有(現パドレス)、前田健太(タイガース)など日本選手が9人所属した、日本人にとって馴染み深い球団だ。
自身のSNSでは「ファンの皆様、野球関係者の皆様、決断に至るまで長らくお詫び申し上げます。次のチームにドジャースを選ぶことにしました。
まずは、6年間支えてくださったエンゼルス関係者の皆様、ファンの皆様、またこの交渉のプロセスに携わっていただいた各チームの関係者の皆様に心から御礼申し上げます。特に波乱万丈な私を支えてくれたエンゼルスファン、皆さんのサポートと声援は私にとってかけがえのないものでした。エンゼルスで過ごした6年間は私の心に永遠に刻まれます。
そして、全てのドジャースファンの皆さん、私は常にチームのために最善を尽くし、常に自分の最高のバージョンになるために全力を尽くし続けることを約束します。プレー人生最後の日までドジャースのためだけでなく、野球界のために努力し続けたいと思います。
文章では伝わらないこともあるので、その後の記者会見で改めてお話したいと思います。どうもありがとう」とエンゼルスへの感謝、新チーム・ドジャースでの意気込みを丁寧に綴った。
チームは今季、100勝62敗でリーグ優勝を果たしたが、プレーオフでダイヤモンドバックスに敗れワールドシリーズ進出を逃している。チーム打率は.257と30球団中で7位。チーム本塁打は249本で30球団中2位、ここにア・リーグ本塁打王でMVPの大谷が加わり、メジャー最強打線が出来上がる。
今月3日には2019年から背番号「17」をつけているベテラン、J.ケリー(35)と再契約。その後、ケリーが大谷に背番号を譲渡する意志があることが米メディアによって報道されるなど、大谷の受け入れ準備を整えてきた。
エンゼルスの本拠地・エンゼルスタジアムから、本拠地のドジャースタジアムまでは車で2時間程度の距離。気候もさほど変わらないことも、大谷にとっては好条件となりそうだ。
今季の大谷は、打者として44本塁打を放ち日本人選手初の本塁打王を獲得。95打点、20盗塁をマークした。さらに規定打席に達し、打率.304と自身初となる打率3割の大台に。投手成績は10勝5敗、防御率3.14、167奪三振。規定投球回には到達できなかったが、メジャー史上初となる2年連続「ダブル2ケタ」(10勝&10本塁打)を達成するなどしている。
9月20日(日本時間)に右ひじを手術しており、来季は打者に専念となるが、手術を担当したドジャースのチームドクターでもあるニール・エラトラッシュ医師は「2024年の開幕日には何の制限もなくヒットを打てるようになり、2025年には(ヒットとピッチングの)両方をこなせるようになるだろう」と術後に語っている。
今オフ最大の目玉、“大谷争奪戦”を制したドジャース。花巻東高校時代から大谷獲得の意志を示しており、日本ハムからのメジャーリーグ挑戦時に続く3度目の挑戦でついに“10年愛”を実らせた形となった。














