国内で発生する食品廃棄物。その量、およそ1600万トン以上。食品の廃棄物を減らし、環境に負担をかけないようにする取り組みが広がっています。
沖縄本島中部、うるま市。創業177年のこの酒造では沖縄の名産、泡盛を製造しています。老舗酒造の社長が頭を悩ませるのが…
新里酒造 新里建二社長
「処分にも困っています。農家に持っていって肥料として…。かなり手間もかかる」
食品廃棄物、酒かす。これを活用し、環境への負担も減らせないか悩んでいたところ、ある企業から提案がきました。
AlgaleX 高田大地社長
「こちらで(新里酒造から)買いとった泡盛かすを使って藻を育てています」
もともと藻で海の資源や環境を守りたいと考えていたこの会社。泡盛かすを原料に“食用の藻”を育てる取り組みを始めたのです。
AlgaleX 高田大地社長
「通常、藻はあまりおいしくならない。たまたま泡盛かすで育てた結果、すごくおいしくなりまして」
泡盛かすのうま味成分などが藻に凝縮。うま味成分のグルタミン酸は昆布の1.5倍以上で、レストランでは調味料として使われ始めています。
記者
「口に入れた瞬間に魚介の風味が広がります。カラスミ粉を使っているような感じがします」
食品廃棄物「酒かす」を活用しようとする動きは、泡盛だけにとどまりません。
記者
「大量にサツマイモがありますね」
「黒霧島」で有名な焼酎大手の霧島酒造。レーンを流れるのは原料となる大量のサツマイモです。その量、1日およそ400トン。原料の芋は、傷のある部分などはカットして捨てていきます。芋くずは1日15トン。さらに、製造の過程で出る酒かすは、1日850トンにも。捨てるはずの芋くずや酒かすを再活用している場所がこちら。
霧島酒造グリーンエネルギー部 岩切駿也さん
「メタン発酵槽に焼酎かすを送って、中にいるメタン生成菌がバイオガス化します」
微生物の力で発酵し、バイオガスを回収。このガスを使って行なっているのが「発電」です。燃料のほか、およそ2400世帯分の消費電力がまかなえるといいます。
霧島酒造グリーンエネルギー部 岩切駿也さん
「焼酎かすは宝だと。ただの廃棄物として捨てるのではなく、バイオガスとして有効利用することで環境にやさしい焼酎造りを目指している」
「サツマイモ発電」で新たに生み出された収入は2億円以上。
ゴミとなってしまう「酒かす」を余すことなく活用し、環境にも経済にも優しい。食品廃棄物を再活用する試みが広がっています。
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