ブレやすい「基準」が認識の違いを生み出す…

有田教授によりますと、例えば、「面白い」という言葉では、「普通」の状態を基準に「面白い」「つまらない」という捉え方ができます。

そこに程度を表す「ちょっと」や「まあまあ」「結構」などの修飾語が加わると「面白い」の位置づけがあいまいになるというのです。

こうしたブレやすい「基準」が言葉の認識の違いを生み出していると考えます。

立命館大学 有田節子教授:「1時間弱が何分なんて誰も分からないですからね。決まりはないから。1万円弱っていうのは9000円なのか、9950円なのかって人によりますしね。結局そういう、そもそもあいまいだというのがやはり大きいかなという気はしますね」

街の人に聞くと、日常で使われる言葉に違和感を覚える場面があると言います。

20代:「ちょうどこの間会社であって『役不足』。1個下の子だったんですけど、その仕事私じゃ役不足じゃないですかねって言っていて、上司からそれ使い方違うよって言われていた。逆の意味だよって言われていました」

若者:「自分の先生が言っていたのはいい加減しろって怒るときにすごい言うんですけど、いい加減にしろって、はい?って、いま怒られるとすみませんでしたって謝るけど、よくよくあとで振り返るといい加減にしろって何をいい加減にするんだろうって、いい加減がどの加減か分からないじゃないですか」

1時間弱という言葉をきっかけにわかった認識に隔たりのある言葉。みなさんもいま使っている言葉、本当にあっているのか…調べてみたら驚きの発見があるかもしれません。