連日、厳しい暑さが続いています。経産省は、引き続き電力の需給がひっ迫する恐れがあるとして、東京電力管内では午後3時から午後6時の時間帯は冷房などを活用し熱中症に注意した上で、できる限りの節電を求めています。なぜ、夕方の時間帯に電力需給がひっ迫しやすいのか。また、電力需給の課題を根本的に改善・解決していく手段はどのようなものが考えられるのか、詳しくみていきます。

■「熱中症対策を行いながら節電を」電力ひっ迫どう乗り切る?


井上貴博キャスター:
交通機関や民間企業がそれぞれ節電を行っている中で、政府としての呼びかけは今後3か月間続きそうです。「熱中症対策を行いながら節電をしてください」と、相反する2つのことを政府は呼びかけています。

少し思い返してみますと、今年の3月にもこういった電力需給がひっ迫する状況があり、そのときの原因は地震でした。福島県沖を震源とする地震が発生したことにより一部の火力発電所が停止しました。当時、節電を呼びかけられた際も各企業・家庭で節電が実施され、東京・渋谷では歓楽街が軒並み電気を落としたという対策をとったわけです。▼他の電力会社から電力を融通すること、▼揚水発電で供給を増やすという、この2つが大きな柱となりました。

では今回このあたりはどういったことが言えるでしょうか?3月は東京電力管内で電気が少なくなりました。ですので他から融通ができたわけですが、今は全国的にも暑い。そのギリギリの中で27日は既に全国の各所から融通をしてもらっている状況です。今後、北海道・東北もひっ迫し、西でも猛暑が続くので、そんなに余力はなさそうだと考えると、他の電力会社からの融通というのは期待できそうにありません。

もう1つ切り札となった揚水発電について、夜のうちに水を高いところへ持っていき、電力が必要なときに揚水発電で発電するという形ですが、27日と28日は既に揚水発電で発電量を増やし対応しているということです。薄氷を踏むようなことで日々何とか乗り越えているということがおわかりいただけると思います。


あとは最近のニュースで出てきていた火力発電の再稼働前倒しを巡る情報です。29日に前倒しとみられていたんですが、補修作業がもう少し時間がかかりそうだということで30日に延期されました。運転開始から相当な時間が経っていますので、しっかりと補修しなければならないということです。いずれにしても姉崎火力発電所5号機にゴーサインが出たとしても、予備率が改善するのは約1%の見通しです。抜本的な解決には程遠いということになります。

■ 原発? 再生可能エネルギー?「政治的意思」は…


ホラン千秋キャスター:
星さん、根本的に改善する・解決していく手立てとして考えられている手法というのはいくつあるんでしょうか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
まずはそもそも論から言いますと数年前なんですが、政府部内で日本の電力を全て賄うことが再生可能エネルギーだけでできるという報告書が出ているんです。一方で、太陽光含めて再生可能エネルギーは足踏みしてますよね。他方で火力発電を含めた設備の更新というのがあまり進んでないということで、原子力を動かさないと電力を賄えませんよっていう状況を作ってきているんじゃないかと私は見ているんですよね。再エネの方も足踏み、火力発電の更新も少し抑えといて、やっぱり原子力がないとだめですねっていうふうに誘導していくための環境作りを進めているようにしか見えないんですよね。

ホランキャスター:
Nスタの中でもこの原子力発電所に言及することが27日と28日で増えたというふうに個人的に感じるんですが、そもそも原発を動かさなければそれって解決できないものなのか、原発じゃなくて他にも方法があるのか、星さんいかがですか。

星さん:
それはおそらく政治的意思だと思います。ドイツが脱原発を進めたように、原発に頼らなくても再生エネルギーでできるというところを模索していけば、それなりのものができる。数年前の報告書も含めて、キャパとしてはあるんだというのはもう既に証明されているわけですよね。当面は火力発電を使っても維持していくということを組み合わせればですね、それは全て政治的意思によってできるのに、やっぱり原発がないとだめだねっていう状況を意図的に形成してるような気が私には思えて。その辺はこれからも取材を続けようと思っているんですが、状況からすると今の電力不足というのはそういうところの成せる技ではないかと思って見ているんですが。

ホランキャスター:
純粋に現実的な手段というよりかは、政治的な意図もそこにはあるんじゃないか、と。

星さん:
(再生可能エネルギーだけで賄う)キャパはあるっていうことはもう既に証明されてるわけですからね。