岩手県は6日、コナラやミズナラといった広葉樹が突然枯れて死ぬ病気「ナラ枯れ」被害が、新たに洋野町で見つかったと発表しました。県内の被害市町村は2021年度の住田町と野田村以来、新たに確認され、洋野町を合わせて19市町村に上っています。

ナラ枯れ被害が見つかったのは、洋野町中野地区の私有林です。先月3日、県久慈広域振興局の職員が巡視中にコナラの枯死木8本を見つけたため、県林業技術センターが分析を行いました。その結果、病気を媒介する甲虫「カシノナガキクイムシ」と、原因となるカビ「ナラ菌」が検出されたということです。町では発見された被害木をくん蒸による殺虫処理で駆除することとしています。
県内では2010年に奥州市で初めて確認されて以来、沿岸部や県南部を中心に、洋野町を含め19市町村に被害が拡大しています。
コナラやミズナラは原木シイタケの栽培や木炭づくりに利用されていて、影響が懸念されます。また、クマをはじめ野生動物が食べるドングリの実る樹木でもあります。
県森林整備課は「早期発見によりナラ枯れの少ない段階で駆除することが大事。関係者と取り組みを強化したい」と話しています。

【岩手県内の被害発生市町村】
奥州市、一関市、平泉町、北上市、西和賀町、金ケ崎町、大船渡市、陸前高田市、住田町、釜石市、大槌町、宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村、久慈市、普代村、野田村、洋野町