梅雨明けはしましたが、雨の恐れが無くなるわけではありません。
2021年7月から8月にかけて水害が相次いだ島根県。
間もなく1年ですが、復旧が完了していない被災地では、危険な状況は去っていないと専門家は注意を呼びかけています。
2021年7月、島根県東部では雨の被害が相次ぎました。
雲南市の住民
「木も全部ここへ倒れてですね、がれきがすごかったですけど、2週間前位に木だけは片付けて頂いて。次は土を取るという」
この日、取材した雲南市内では、豪雨の爪痕がまだ生々しく残っていました。
雲南市の住民
「バスの方は、向こうから越えるものも、こちらから上がって行くものも、現在止まった状態です」
道路の崩落で、通学バスもこの先に行けなくなっています。
雲南市が中国地方の市町村で初めて委嘱した気象防災アドバイザー・堀江安男さん。
まだ復旧が十分でない所は特に注意が必要と話します。
雲南市 気象防災アドバイザー 堀江安男さん
「復旧作業がまだ十分ではない状況の中で、裏山が崩れそうだっていうような、土砂が残っているよっていうような所であればですね、やはりこれから降る雨でですね、それが落ちて来るような可能性もあると」
さらに川も油断できません。
雲南市 気象防災アドバイザー 堀江安男さん
「この地域、真砂土ですから砂が相当流れ出してるんです。掘削されずに砂が普段よりもいつもより多くなってるねって思われるような箇所であればですね、水位の上がりは早いかも」
砂が多い地質のため、去年の大雨で川底が浅くなっていたり、護岸が崩れたりしている所は、その分、溢れやすくなっている可能性があるというのです。
一方、2018年から、2020年、2021年と、過去4年間で3回氾濫したのが、県西部を流れる江の川です。
ここでは対策が進められていました。
記者 入江直樹
「土のうが3段に積み上げられて、おととし7月の水位までは対応できるということです」
島根県邑智郡川本町谷地区に現れた黒い壁。
国交省浜田河川国道事務所が、地区内に大型土のう2500個を積み、5月末に完成させました。江の川が増水した際には、バックウォーター現象で水が溢れる支流との間を土のうでふさぐ計画です。2020年の浸水水位は高さ2メートル位。それには耐えられるとしています。
また、右岸の川下地区では、堤防の高さが不十分な所を、3400個の土のうでかさ上げする作業が大詰めで、こちらはさらに高い2018年の水位にも耐えられるとしています。
国交省浜田河川国道事務所 原啓一朗副所長
「(工事の基準で)3段しか積めませんけども、必要な高さは確保していると考えております。(地区の)合意形成が図られた所から整備を進めて行きたい」
しかし、別の場所では、新たにコンクリートの壁が造られたものの、過去の増水ではその高さを超えていたと、不安を訴える声も聞かれました。
また、工事開始がこの梅雨に間に合わなかった地区もあります。
雲南市 気象防災アドバイザー 堀江安男さん
「危険だと普段から思ってらっしゃる方は、早め早めの避難をしていただければと」
ハード面の対策が進んでも、「余裕がある内に早めに避難するのが鉄則」と堀江さんは改めて強調しています。
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