高校生を対象にしたツキノワグマの勉強会が2日盛岡市で開かれました。飼育と研究の観点から生態を学び、クマによる被害を防止しようという取り組みです。

勉強会は、市街地でのクマによる人身被害を防止するために、県盛岡広域振興局が盛岡市動物公園を運営するもりおかパークマネジメントと共同で初めて開催したものです。
2日は盛岡農業高校で森林や動物飼育について学ぶ3年生26人が参加しました。
生徒たちは最初にZOOMOで飼育されているクマを観察し、北上山地や奥羽山脈など生息地が異なることでクマの顔が違うことを学んでいました。

「森でクマに会ったらどうすればいい?」
「①死んだふりをする。②走って逃げる。➂木に登る。④静かに後ずさりする。」
「正解は④」

講師を務めたのは、クマの生態を研究する岩手大学農学部の山内貴義准教授です。山内准教授はクイズを交えながら分かりやすくクマの生態を説明していました。

(山内准教授)
「クマというのはこういう生き物だと理解していただいて、被害に遭わないためにはどうすればいいのか皆で考えて、家庭に帰って両親や祖父母と話し合いすることで地域のコミュニティも強まると思うので、そういった効果も考えながらやっていきたいと思います」

盛岡農業高校では今年、学校の周辺でクマが目撃されていて、生徒たちは人の存在に慣れたクマが増えていることを実感しています。
2日の勉強会で生徒たちは、森林が豊かな岩手で、クマと遭遇しないために何に注意すれば良いか、どうすればクマとの共生を図ることができるかを真剣に考えていました。

(生徒)
「人と共存していくためには駆除するだけでなく、草刈りを継続的にしていくことが大切だなと思いました」

盛岡広域振興局は、今後も対象者を変えながらクマに関する勉強会を開くことにしています。