■SMBC日本シリーズ2023・第5戦 阪神 6-2 オリックス(2日・甲子園)

2勝2敗で迎えた第5戦、オリックスは2点リードも悪夢の逆転負け。連敗で2勝3敗となり、阪神に日本一王手を許した。

2-0で迎えた8回裏、3試合ぶりに登録復帰の山﨑颯一郎(25)がマウンドへ。先頭・木浪の打球をセカンド安達了一(35)の悪送球で無死二塁。さらに代打・糸原のヒットを許すと、近本のタイムリーで2-1の1点差。続く中野に送りバントを決められ、代わった宇田川優希(24)が森下に痛恨の逆転タイムリーを浴び2-3。

さらに4番・大山のタイムリーを許し、4人目・阿部翔太(30)は坂本の2点タイムリーを浴び2-6とこの回一挙6失点で試合を決められた。

先発の田嶋大樹(27)は、7回83球を投げ、4安打無失点の力投も終盤にまさかの展開。チームは甲子園3連戦を1勝2敗で終え、第6戦は4日、京セラドーム大阪に戻って行われる。

◆甲子園初登板の田嶋が力投も...8回安達失策から悪夢の6失点

田嶋大樹は日本シリーズ通算3度目の登板。今季は13度の先発で6勝4敗(防御率3.09)、CSファイナル第2戦は6回4失点。阪神戦は19年の6月16日(京セラD)以来、甲子園での登板は初となった。

“完全アウェー”の中、立ち上がりは1番・近本にヒットを許すと、続く中野の送りバントを田嶋が処理できずオールセーフ。森下の二ゴロで1死一・三塁と早くもピンチを招いたが、大山をフルカウントから空振り三振に仕留め、森下の盗塁は一度セーフ判定も、リクエストが成功しアウト判定でダブルプレー。2回は1死で佐藤輝の二塁打、坂本の中飛で2死三塁とするが、木浪を申告敬遠で続く大竹を空振り三振。3回は1死で中野にヒットを許すが、森下を併殺打で切り抜けた。

この日の打線は1番・廣岡大志(26)、2番・宗佑磨(27)、3番・森友哉(28)、4番・頓宮裕真(26)、5番は杉本裕太郎(32)が今シリーズ初先発。6番・ゴンザレス(34)、7番・紅林弘太郎(21)、8番・若月健矢(28)。中川圭太(27)はベンチスタート。

阪神・先発の大竹耕太郎を相手に、1回は3者ともに内野ゴロに打ち取られる。2回は頓宮がレフトへのヒット、復帰の杉本は空振り三振で、ゴンザレスがヒットでつなぐと、紅林の右飛で頓宮は三塁へ。2死一・三塁と先制のチャンスを作ったが、続く若月が見逃し三振に倒れた。3回は2死で宗がヒットで出塁するが森が空振り三振。

だが4回、頓宮と杉本が内野ゴロも、ゴンザレスが大竹の4球目ストレートを完璧に捉え、レフトスタンドにソロ本塁打を叩き込み、この日はオリックスが先制。続く紅林もレフトフェンス上部直撃の二塁打を放ったが、若月は三飛。

援護をもらった田嶋は4回、大山から3者凡退。5回は坂本にヒットを許すと、木浪の送りバント、代打・渡邉の二ゴロで三塁に進まれるが、近本を気迫のストレートで空振り三振に仕留めた。

6回の守備から中川圭がセンター、廣岡がセンターからレフトに入った。続投の田嶋は中野から3者凡退と安定したピッチング。

打線は6回、阪神は2人目・西純矢で2死からゴンザレスが大山のエラーで出塁し、紅林のヒットで一・三塁とするが、若月が空振り三振。7回も西純に対し、田嶋が四球で出塁すると、廣岡は三邪飛。阪神は島本に代わり、宗の打球はセンター前に落ちたが、フライか迷った田嶋の走塁が遅れ、二塁でアウト。だが続く森が二ゴロも中野が後逸し、さらにライトの森下もボールを掴み損ね、三塁を回った宗が生還し、相手の2失策で貴重な2点目を奪った。8回の打線は湯浅を前にゴンザレスから3者凡退。

投手陣は3試合ぶりに登録復帰の山﨑颯一郎(25)が8回のマウンドへ。先頭の木浪は二ゴロも7回からセカンドに入った安達了一(35)の悪送球で木浪は二塁へ。さらに代打・糸原にレフトへヒットを浴び無死一・三塁のピンチを招くと、近本にタイムリーを打たれ2-1の1点差。続く中野に送りバントを決められると、中嶋監督は自らマウンドに向かい、宇田川優希(24)に交代。

1死二・三塁の場面で宇田川は、森下にカウント2-2から左中間を破る痛恨の逆転タイムリーを浴び2-3。さらに4番・大山に連続タイムリーを打たれ2-4。放心状態の宇田川にナインが声をかけ、阿部翔太(30)に交代。だが阪神の猛攻を止められず、坂本の2点タイムリーで2-6と突き放された。