この夏の記録的な猛暑と水不足で、コメの品質が大幅に低下した問題です。新潟県は専門家を交えた研究会をつくり、原因の分析と来年度以降の対策の検討を始めました。

コメの品質低下を受けて設置されたこの研究会。
初めての会合が30日に開かれ、大学教授やJAの関係者ら12人の委員が集まりました。

今年は米粒が白く濁る「白濁」などが多く見られ、県によりますと県産コシヒカリの1等米比率は今月15日現在、4%にとどまっています。

その要因はやはり…


新潟大学 本田明治 教授
「新潟は全国で1番気温が高く、降水量が全国最少となっています。日照時間も全国で一番多かった」

会議では、今後も、今年のような猛暑が起きるかもしれないとの危機感も共有されました。

新潟大学農学部 山崎将紀 教授
「来年も今年と同じような気候条件が来るかもしれないということを考えながら、予想しながら対策を考えていきたい」

一方、コシヒカリよりも暑さに強い「新之助」の一等米比率が95%と平年並みだったことから、新潟県は「暑さに強い才能はほぼ間違いなかった」とみています。
これを受け、専門家からはコシヒカリ以外の品種の栽培を増やすことも提案されました。


農研機構 石丸務 上席研究員
「コシヒカリの高温対策を挙げるという他にも、高温耐性強で、かつブランド力もある新之助というもの生かして、早生や中生といった作期分散を図っていく」

この他、委員からは等級比率が高かった農家にどうやって栽培したか聞くべきとの意見や県が進めている高温に対応した新品種の開発状況などへの質問が出ていました。

新潟大学農学部 山崎将紀 教授
「農家の方はすごく県とかの指導について、ちゃんと対応している農家さんが多いなど私も直接聞いていますので、直接プラスアルファで何かできることが提案できたら」

11月にもう一度研究会を開催した後「新潟米対策会議」と名称を変えて12月に検証結果や今後の取り組み方針をまとめる方針です。