ダイズの根っこに「地球冷却微生物」がいた!

N2Oの主な発生要因は、農業で使われる肥料です。肥料の多くは、アンモニアを原料とする窒素化合物を含んでいますが、これが土の中で細菌の働きによりN2Oに変化してしまうのです。

星野誠 気象予報士:
「実はこちらの畑で育てられているダイズの根っこには、地球冷却微生物の一種がいるということが分かっています」

ダイズの根には、根粒(こんりゅう)と呼ばれる小さな膨らみがあり、その中に根粒菌と呼ばれるバクテリアの一種が数億匹住みついています。その大きさは1ミリの500分の1ほどで目には見えず、髪の毛の太さの50から80分の1です。この根粒菌の一部が、特殊な酵素の働きにより、N2Oを分解して温室効果をなくす能力があることが東北大学の研究により10年ほど前に分かりました。

東北大学 南澤究特任教授:
「N2Oを減らせる能力が高い根粒菌を探してきて、それで実際にダイズの種をまくときに接種をしてあげると、(N2Oを)減らすことができる」

しかし、この根粒菌は、マメ科の植物の根っこでしかN2Oを分解する働きを持たないのです。